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刀篤(かたなあつし)
2021年12月24日 21:01
『book girl』転がり出した本は空気に分解されて拡散し冷えた音を放ち万華鏡の白い底で歌い踊り詩を読んでいた四人のアイドルも白かった椅子から立ち上がったわたしは拍手を続けたステージで鯨が精製されたかの人が居る廃墟に今わたしを案内して欲しいこんなに苦しいのだから生きていく上で必要なものそれはたいして多くはないよ別れの理由はいつも特別なんだコ、井、矢、和
2021年12月11日 17:31
『鶯谷↔日暮里』下半身に違和を感じ悲鳴を呑み込んで沈黙し列車から逃げ出した鶯谷駅得体の知れない数分間可能性に過ぎなくとも綿密に計画されたものなら恐ろしいことだけれど全ての人格が内包する負のイマジネーション実際に行われなかった可能性の膨大な識閾下現実に表出しない性癖日常の偏執的な想像力その如才なさが何者かによって真っ直ぐ暴き上げられたときわたしの精神は耐えられるか
2021年12月4日 11:25
『道化』自分のやっていることの滑稽さに気づいた瞬間からドロップアウトしてゆくのだこの社会からこの世界から
2021年12月3日 20:26
『ワニ園』15歳、水晶は逃げ出した、裸足で死ぬつもりだった、何処かで一人静岡方面の列車に乗った、底冷えする夜少年が待っていた、ワニ園で「初めまして、お嬢さん」少年は名乗った、爆弾魔と「もったいない、死ぬなんて、逆に吹っ飛ばそうぜ、世界を、そしてその前に靴を履こうぜ、君は」二人は爆弾をしかけた、ワニの檻にたくさんの爆弾は、少年が用意した園のあちこちに、爆弾をしかけるうちに