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お膳に顔を突っ込む(入院18日目)

ごきげんよう、遙野灯です。

そもそも今回の入院は!緊急入院でした。(唐突)
今まで緊急入院以外ほとんどしたことがありませんが、いつも緊急入院する科と異なると、些か病棟の事情は変わってくるようです。
更にはコロナ禍であるということもあり、発熱はなかったものの個室行き。
しかも、VIPルームです。ドアからベッドまでの距離よ……小さな応接間、キッチン、シャワー室、トイレ。テレビも大きい!ベッドから自力で降りられない私には、無用の長者でありました。

段々と食事が摂れなくなり、水も飲み込めず、薬が飲めなくなったため入院。
体は細くなっているのに、体重は増えていく不思議。
胃管チューブを鼻から挿入、苦しさに思わず先生の腕を掴んでしまいました。
痛みには強いのですが、胃に何かをいれられるのは未だに慣れません。

この病室に四日間いたのですが、癲癇(てんかん)の発作ばかり起こしていました。ベッドとトイレしか使わず、発作や薬で朦朧としていた時間の方が長かったけれど、一日一万五千円……!ヒィイいいイィいい。
退院したらがっつりベッド上掲作業を行おうと思います。
夫よ、息子よ、すまぬ……。

生きていたい、どんな形でも。
そう思う反面、こういう風にお金がかかる時は、頭を抱え込みたくなります。
ごめんなさい、と。家族に愛され、そのごめんなさい自体が、要らぬ行為だと漸く気づいた私ですが、長年染み込んだ感情はまだ抜けそうにありません。

夕方の疲れた時間に発作が出やすい私ですが、今日は発作の嵐だったようで、気づいた時には、筋肉注射を打たれていました。

兄貴分のようなナースさんに、
ボールペンのことなんて言ったか覚えてる?(箸と言った)
どこから覚えてる?(時系列がごちゃごちゃになっていた)
と聞かれましたが、恥ずかしいっ!
兄貴分を呼び捨てにした気がするし、お膳に顔を突っ込んだのも恥ずかしいです。

明日(今日)は、大きな処置があるので眠らなければ……と思いつつも、お手洗いに連れて行ってもらったついでに、昨日も一生懸命生きたという(お膳に顔を突っ込み五つも)ことを言葉に綴りたくなりました。

それでは、おやすみなさい。

遙野灯

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遙野灯
いつか作業所とアトリエを作るのが夢です。寝たきりになる前に、ベッドの上で出来ることを頑張ります。