ありがたいことに第3弾!サイエンスプレスリリース記事のご紹介👀
今回は、サイエンスプレスリリース記事のご紹介第3弾です!
第1弾、第2弾はこちらから↓
[余談]サイエンスについて感じること
ずっと文系の私ですが、ここ最近、自分の中での科学へのイメージがどんどん変わってきています!💡
きっかけになったことは沢山あり、
・科学=自然科学だけなく、広義には学問を指すと知ったこと
・科学は身近にあると気づいたこと
・DNAの抽出実験で、自分の身体の中でも科学が起こっていると実感できたこと
などなど、沢山の学びがありました。
概念が壊れるような発見や学びの機会をこれからも大事にしていきたいです!😊✨
「科学=自然科学だけではない」と知ったnoteはこちら↓
科学は身近にあると気づいたnoteがこちら↓
DNA抽出実験をまとめたnoteはこちら↓
今回も幅広い分野のサイエンスプレスリリース記事をピックアップしています!!🙌🏻
私の好みと独断で選定した記事になりますが是非チェックしてください🌱
・・・
1.生きたまま染色体を診た受精卵から健康な子牛を産ませることに成功!
ポイント
ライブセルイメージング技術(注1)により染色体分配の様子を生きたまま観察した受精卵から健康な子牛が誕生しました。
観察した受精卵の半数以上で染色体分配異常が認められ、それらの多くが分裂の初期で発生を停止しました。
染色体分配異常が認められた受精卵でも、胚盤胞期(注2)まで発生すれば、子牛になりうることがわかりました。
注1)ライブセルイメージング技術:蛍光プローブを細胞内に導入し、生きたまま細胞内分子の挙動を可視化する技術。本研究では染色体を観察した。
注2)胚盤胞期:将来、胎盤と胎児のもとになる部分が確認できる段階。ウシやヒトでは受精後6~7日でこの段階に至る。
東京農工大学、近畿大学、扶桑薬品工業、農研機構の研究グループは、細胞を生きたまま連続観察する「ライブセルイメージング技術」により染色体分配の様子を捉えた体外受精卵から、健康な子牛を産ませることに成功しました。
この技術により観察した受精卵の半数以上で8細胞期までに1回以上の染色体分配異常が認められ、それらの80%以上が、胚盤胞期に到達する前に発生を停止しました。
一方、染色体分配異常が認められた受精卵でも、胚盤胞期まで発生すれば、子牛になりうることが分かりました。哺乳動物における受精卵の研究で一般的に用いられるマウスとは異なり、ウシは受精卵の大きさがヒトに似ていること、また、ヒトと同様に染色体異常が起きやすいことから、家畜生産のみならずヒトの不妊治療において、新たな受精卵の選別技術や指標を提供することが期待されます。さらに、分裂初期の染色体分配異常の原因を明らかにし、それを防ぐことができれば出生率の向上に繋がるかもしれません。
詳しくはこちらからご覧ください↓
https://www.tuat.ac.jp/outline/disclosure/pressrelease/2022/20220609_01.html
2.45歳未満の女性の肥満は乳がんの低リスク
乳がんは、現在日本では生涯で9人に1人の女性がかかる増加傾向の悪性腫瘍です。欧米ではBMIが大きいと閉経前に乳がんにかかるリスクが低いとされる一方、日本を含む東アジアではその関連性が不明とされ、むしろリスクの高い可能性が指摘されていました。
この度、東京大学大学院医学系研究科の小西孝明(医学博士課程)、田辺真彦准教授、康永秀生教授、瀬戸泰之教授らの研究グループは、国内の大規模医療データベースを用いてBMIと乳がん発生との関連を調査しました。45歳未満の女性約80万人のデータを解析した結果、BMIが22 kg/m2以上であると乳がんにかかるリスクが低く、欧米と同様の関連を持つことを初めて示しました。
欧米では70歳代で最も乳がんが好発する一方、日本など東アジアでは40歳代以降は横ばいあるいは減少することが知られていました。今回の研究の結果から、その違いは日本など東アジアでは肥満者が少ないことと関連していると推察されます。このため、BMI分布を考慮すると、日本では40歳代を中心に若年からの乳がん検診の意義がより大きい可能性があります。また、BMIと乳がんリスクとの人種を問わない関連性は、未だ不明な乳がん発生のしくみの解明に寄与すると考えられます。
詳しくはこちらからご覧ください↓
https://www.h.u-tokyo.ac.jp/participants/research/saishinkenkyu/20220607.html
3.法政大学島野教授が投稿した「Twitterによって発見された新種ダニ」を見た一般の大学院生の投稿から、再び別の新種ダニを発見。
【発表のポイント】
(1)Twitterで偶然見つかり、『2021年の注目すべき海洋生物の新種トップ10』のひとつにも選ばれた、千葉県銚子市の「日本のツイッターダニ」Ameronothrus twitterについてSNSに投稿したところ、「今話題のハマベダニってこれのことだろうか?鳥取県で撮影。」という投稿があり、すぐにこのダニの研究を開始したところ新種であることが判明。
(2)学名をリツイートとしてAmeronothrus retweet(和名 イワドハマベダニ)という鳥取県岩戸からの新種として発表された。本種はハマベダニの中でも珍しくオスメスが若干異なる形態をもっていた。本ササラダニ類は人体には全く影響は与えず、岩に生える海藻や地衣類などの有機物を餌とする。
(3)ソーシャルメディア(SNS)の利用と、一般ユーザからの投稿によって、「二匹目のドジョウ」ならぬ、2種目の新種ダニが発見されたことによって、誰でも新種の発見や生物多様性の解明に協力・参加できる事が示された。ITを利用して発見された種はまだほんの一握りで、市民科学の観点からも今後多くの応用が期待できる。
Twitterへの一般の会社員の投稿によって、島野教授が偶然見つけた千葉県銚子市の「日本のツイッターダニ」Ameronothrus twitterだが、この論文発表のニュースを島野教授がSNSに投稿したところ、「今話題のハマベダニってこれのことだろうか?鳥取県で撮影。」という投稿が鳥取県在住の大生唯統(おおばえゆいと)さん(鳥取大学大学院)からありました。
このダニも新種ではないかと判断して、法政大学島野教授はすぐにこのダニを採集して欲しいと大生さんに依頼しました。大生さんは、すぐにこのダニを採集し同教授に送付し、共同研究チームのトビアス=プフィングスティル博士(グラーツ大学 [オーストリア]・動物学研究施設・講師)、蛭田眞平博士(昭和大学富士山麓自然・生物研究所)と研究を行い、新種であることを確認しました。
まもなく遺伝子解析の結果から新種であることが確実となりました。さらに形態学的研究から、メスの方で体が小さく、体表の構造も雌雄で異なった形態を持ち、このハマベダニ属では珍しい性的二型のダニであることが判明しました。
詳しくはこちらからご覧ください↓
https://www.hosei.ac.jp/press/info/article-20220531171215/
4.ツチガエルが持つ、世界に類を見ない性染色体進化の全体像を解明しました
本研究成果のポイント
日本のツチガエルの2つの祖先集団において、それぞれ異なる性染色体を同定した。
2種類の異なる性染色体を持つ集団が交雑することによって、別の第3の性染色体の進化を誘導する、という新しい性染色体の進化機構が明らかになった。
性染色体の取り替えにおける染色体選択の必然性が示唆された。
高度に保存されてきたヒトの性染色体とは対照的に、カエルにおける性染色体進化の著しく多様な全体像が明らかとなった。
概要
広島大学、京都大学、産業技術総合研究所、横浜市繁殖センター、北里大学およびキャンベラ大学とローザンヌ大学の国際共同研究チームは、網羅的ゲノム解析とバイオインフォマティックスを用いて、日本のツチガエルの2つの祖先集団(西日本と東日本集団)がそれぞれ異なる性染色体1)を持つことを明らかにしました。本種が持つ13対(2n=26本)の染色体のうち、第1と第3番染色体に相当します。一方、この2つの祖先集団から過去の交雑によって進化した新しい集団では、性染色体は第7番染色体であることがすでに知られています。
以上のことから、異なる2種類の性染色体をもつ集団の交雑によって、さらに別の性染色体の進化が誘導されるという、これまでとは異なる、全く新しい性染色体の進化様式が明らかとなりました。特に、この3種類の性染色体は、別のカエルにおいて相互に融合して6本の性染色体を進化させていることから、性染色体選択の必然性を強く示唆します。さらに、今回の発見により、ツチガエルが持つ、世界に類を見ない性染色体進化の全体像が解明されました(性染色体の取り替えが少なくとも2回、XY型からZW型への変換、そして性染色体が同形2)から異形3)への進化)。
1)性染色体
性決定遺伝子を含む染色体のことを示す。それ以外の染色体は常染色体と呼ぶ。
2)3)異形(同形)の性染色体
XとY染色体、あるいはZとW染色体の形が相互に異なる性染色体を異形の性染色体という。これに対し、両者が形態的に区別がつかない場合を同形の性染色体という。哺乳類や鳥類はほぼ全ての種が異形の性染色体を持つが、爬虫類から魚類ではいずれのタイプも存在する。
詳しくはこちらからご覧ください↓
https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/71605
5.二酸化炭素は日中の眠気を誘発するか? 眠気の客観的指標としての脳波に対する二酸化炭素の影響
【発表のポイント】
換気の悪い混み合った屋内では、二酸化炭素濃度の上昇が日中の眠気の原因となると言われているが、因果関係は不明だった。
二酸化炭素濃度を厳密に制御した環境下で調べた結果、二酸化炭素が眠気を引き起こしている確かな証拠は得られなかったが、客観的な眠気の指標として使用されている脳波が、低濃度でも二酸化炭素の影響を受けていることが示された。
車内など密閉された空間で眠気の指標として脳波を測定する際は、環境の二酸化炭素濃度を考慮するべきことが示された。
【概要】
換気が悪く混み合った屋内では、しばしば眠気に襲われることは、誰もが経験しています。室内の高くなった二酸化炭素濃度が日中の眠気をひきおこすと言われていますが、環境中の二酸化炭素濃度と日中の眠気との間の関係を、厳密に測定した研究は、これまであまり行われていませんでした。
東北大学大学院医工学研究科の永富良一教授らの研究チームは、二酸化炭素濃度を厳密に制御した環境下で日中の眠気の測定を行い、二酸化炭素が眠気を引き起こしている確かな証拠は得られなかったことを報告しました。同研究チームは、被験者に主観的な眠気を尋ねると同時に、客観的な眠気の指標として従来使用されている脳波の測定も行いました。
その結果、高い二酸化炭素濃度と眠気の間に関係があるとは結論できず、脳波は被験者の眠気とは無関係に、二酸化炭素の影響を低濃度でも受けていることが示されました。従来の研究では、眠気を客観的に測定する方法として脳波の変化が用いられてきましたが、本研究の結果より、車内など密閉された空間で脳波を測定する際、眠気を正しく検出するには、環境中の二酸化炭素濃度を考慮する必要があることが示されました。
詳しくはこちらからご覧ください↓
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/06/press20220615-01-co2.html
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