鳴るはずのない鐘の音
寒空に輝く鐘
見つめる私の目に
“音”が入り込んだ
入り込んだ“音”を逃さないように
ぎゅっと目を瞑る
“音”は体の中を走り回り
あちらこちらに“音”をぶつけていく
小さく響く“音”が
私を快楽へと導いていく
やがて“音”は頭の中に到達して
私の脳みそをくすぐする
くすぐったいと笑う海馬
くすぐられて揺れる海馬がみせる
優しい記憶
“幸せな気分”が心を満たし
暖かく穏やかな気分になった
ホッと
幸せなため息
ふわふわなため息と
一緒に“音”が手を振り帰って行った
寒空の下で輝く鐘の元へ
#詩