
三日月の夜
気づかぬうちに
縛りつけ
決めつけて
それが全てて思い込んだ
きっかけは
あの子の涙
素直で綺麗な涙を見た時に
私の心の縛りが緩んだ
何にこだわっていた?
馬鹿げた縛りを抱きしめて
トゲトゲしながら
強がって
緩んだ縛りの解け目に
綺麗な涙が落ちてきて
綺麗に解けた
その瞬間
私の心が叫んでいた
私の心が泣いていた
私は…
私は…
本当はわかっていた
本当は…
後から後から溢れ出す
言葉にできない思い
あの子の肩を抱きしめて
“大丈夫大丈夫”
私の中の“あの子”にも
言い聞かせた
空では三日月が揺れていた
後方から
追いかけるように星が瞬いた
あいつは星になった
三日月を追いかけて…