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そあ
2021年2月26日 21:00
黒い月が染み出す夜に 青い鳥を探す狼は誰 飼い殺しの時限爆弾の中身は 滑稽な道化師であればいいのに 手を合わせたら 虚夢に溶けてほら 音もなく魂まで融解する 懺悔なんて 大そうなものじゃない 見よう見まねで 傲慢に祈るだけ ステンドグラスで照らされた眼窩は 白昼 君の目元の鮮やかさに似て 赦されたみたいな清々しい顔で ヒトの目を欺く 「嫌いになったでしょう」 不釣合
2021年2月16日 21:00
白百合を口に詰められて 窒息する夢を見よう 僕に触れないで 綺麗にしてみせてよ もう 何も汚したくないから 待ち構える太陽には とびきりの作り笑いを 大好きな音楽を 消える感傷にしないで 君が僕を忘れる前に 僕が僕を忘れる算段で 排煙ファンの隣で息をする 瞳は 何度目かの雑踏を捉えた 三日月の破片を水槽に沈めて 逃げる魚の残映が 何もない部屋の壁に 仄暗く 陰って
2020年10月12日 20:55
開ければ 幸せが出てくる箱なら君は 喜んで値を付けた?売った時間と 人肌と 後悔記憶の中 自画像に爪を立てる昨日まで蕾だった 花 踏んで狂ったみたいに 笑い出す蹴り上げる靴の先は檻の中から吹き出す シャボン玉 潰していった絵本の兎が 赤い瞳に涙を溜めた怯える剥製は 言葉を持たず 不満の色鏡に映ったのは 古びた体躯だけ幸いだ 誰も心など見たくはない首をもたげた サーカス
2020年10月9日 20:50
女学生に道を譲れない雨の道は 醜く濡れていた黒い服を好んで着るのは少し優しくするだけで 喜ばれるから駅のホームのどこまで歩いたら平穏な気持ちでいられるかな誰だっていいさ 思い通りにならない日の僕の心を 逆撫でしないなら車内 不眠明けの頭は 感傷までバグって幼い少女の大げさなセリフが 刺さったまま『 だ い す き 』 その言葉を誰もが 誰かに 言われたがっているのに無
2020年8月19日 21:05
路上で廻る パペットショーに投げ銭対価は心 狂うほどの高値構って欲しそうな顔が いくつも並んで搾取されるのを待っている昨日の詐欺師は 今日の被害者避雷針の上で カラスが嗤う聞こえないふりをしてダミーの善人を あしらってゆけ ここじゃ皆が人間不信さマッチ売りの少女は 喫煙所でダウナー憐憫と同情は 好奇の眼差しネオン街で夢を追うインソムニア・ボーイとすれ違う迷路になって