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そあ
2020年4月25日 20:25
流れ星が欠航して僕だけの悲しみが不時着する夜泣き出したら ほら 息が乱れて甘い傷の疼きに 意識奪われてゆくから 白昼 消し忘れた月を見た今こんなにも あの光が恋しいのにビルの影 四角いパレットには物足りない彩度が宿る 虹鉄の橋 潮風が怠惰な昼下がり寂しい場所ねと 嘘をついてサンデーピープルを嘲笑った一人で切り取った風景は 退屈だからありきたりなコラージュに焼き捨てて君
2020年4月21日 21:00
スターチスの紫が錆びて幼いウサギの瞳の色に 変わりゆくチャイムで守られた箱庭に片足だけ靴を落として 君は卒業した 初めて見たクラスメイトは 春の雨の日右の頬を濡らして 笑っていた2人に1人が 黄色い傘を開かない 通学路空いた片手は アドレセンスの無防備さで 赤信号が膨張して 進めない夕暮れあどけなさで 足踏みする ステップにうつむく君は バランスを崩した不意に目に入ったの
2020年4月18日 21:14
時計の音は大きく 乾いた時を刻み壁は白く垂れ込めて 腫れぼったく見えたもう一人の僕が僕を見て 君も一人だねと笑って 更けゆく 今夜の呼吸は 凪ぐでしょうか 僕を今日まで生かしてきた思い出が君を巻き込んで フラッシュバックする図書室の夢は 光の筋に舞うダストとアンニュイ梟の瞳で本を読む 星の欠片をガラス瓶に詰めた 記憶の中の待ち人 誰よりも知っていた本当に 捨てられないものは
2020年4月12日 19:47
両眼が空っぽな雌の兎 歪なグレーの眼窩誰かが落としたオペラグラスを 嵌め込んだら狂ったように跳ね返って 彼女が動き出した それって つまり 僕の過ちは 消えたってこと 綺麗な景色が見えるかな また遠くに行けるかなううん 罪悪感から解放された それが嬉しかった 僕は彼女を愛してはいなかったけれど失くなったら困るんだ 僕の手が汚れるから 何度も君の頭を撫でた 薄い右掌 従順で口
2020年4月11日 21:05
観覧車が止まった 暗い暗い春の夜 電波望遠鏡に届いたエレクトリックウェーブ海の上 急ぐように 流れる雲の 上の上の上何も知らない 機械仕掛けの銀河は 回って回って 瞳を閉じて 1500光年先の星雲まで 飛んでいく 遠くに行きたくても行けない日々を 通り越して不透明な街で 君と僕は幾つもの哀しみを紡いだ目の前が 足元が 痛々しく 裂けてゆく 天の川にカササギが 橋を架けられますよ