遊ぶ物も持つ物も何でもいい…。 ただ、いざという時は…、
遊ぶものは、なんでもいい…保護犬おかづ…
遊ぶ物は何でもいいのだ。遊べればタオルでも布団でもいい。兄ちゃんが赤ちゃんの時のおもちゃで十分なのだ…。
ただ、遊んで欲しい時のおもちゃは違う。必ず、パフパフ鳴るおもちゃなのだ。これをくわえて父さんの所へ行き、横で「パフパフ、パフパフ…」と鳴らす。そして…、父さんと対峙し
遊んでくれるまで目を見つめ、じっと待つ…。
ひたすら待つ。
そうすると、何をやっていても遊んでくれる。
さて…父さんと息子の話……
昔、まだ息子が2才だった。
たぶん、家族でつま恋に行った時のこと。
その頃父さんの息子は、いつもいつも右手に何かを持って歩いていた。お気に入りは機関車トーマスのヘンリー。いつでもどこでも緑色のヘンリー握りしめて歩いていた。
ヘンリーの目は笑うと半月のようになる。
さて、つま恋のホテルに到着した日、父さんと息子は「何があるやろう?」と、ホテルの中をうろうろと探検して、長~い廊下を上がって帰っていた。その時、途中に短いが階段がある。
なんとそこで息子くんはつまづき転けてしまったのだ…。しっかりヘンリーを持ったまま。
「お~っ!大丈夫?……!」
下はじゅうたんなのでケガはなさそうだ。「よいしょっ…」と起き上がらせて…立たせて…。
「えっ?。どしたん?息子よ…ヘンリーは?」
息子が大事に握っていたのは、なぜか固い黒いゴムのドアストッパー。
「ええっ…今?今持ったん?」
いやいや、見回してもヘンリーは辺りに転がっていない…。息子くんは何で父が慌てているの分からないのだが、自分の手を見て
「……?!」
息子は目の前でマジックを見たような顔だった😳
こりゃ大変だ…ストッパー持って帰るわけにはいかないし、ヘンリーまた買わんとあかんし、息子は泣くだろう…。早く探そう…。
だが…、
泣きもせず平気にドアストッパーを持った息子…を連れ父さんはゆっくりゆっくり探しながら、30m後戻りして行く…。
おっ……😳
非常ドア近くの窓枠に緑のヘンリーが置かれていた。こっち向いて…😳
なんや、このストッパーはここのかいな。
まぁ、窓枠に置かれたヘンリーもびっくりしただろう。「おい!息子!ちょっ、ちょ待って。そのストッパー持って行くの?…僕を置いて…?!」
いつか来る正面向いて笑みで待ち
上弦の月 共に見守る
「ヘンリー待ったか…?」
「いやいや…平気さ…」と、窓に映る上弦の月と共に、同じ目をして笑って許してくれましたとさ。
いや、ないない。