読書感想文「ブルーマリッジ」カツセマサヒコさん
カツセマサヒコさん3作目の長編小説を発売日に即買いして、あっという間に読み終えました。
デビュー作「明け方の若者たち」で「『エモい』というのはこの感情のことか!」となってドハマリしました。
男女で評価の分かれそうな作品だなぁと、今も思っています。
(映画もよかったです。正月にほぼ貸し切り状態の劇場で見たのがよい思い出です。)
2作目の「夜行秘密」は1作目とは異なるテイストの興味深い作品で、今回読んだ3作目の「ブルーマリッジ」もまた違った面白さがありました。
3作品読んでの共通点を考えてみたものの、うまく言葉にできず。
ただ何となく感じるのは、言葉にしにくいモヤっとした感情をうまく形づくる作家さんなのかなということでしょうかね。
今作は結婚をテーマとしていて、きっとカツセさんが社会に出て感じたのであろう違和感を言葉にしたのかなと思いました。
「あー、これめっちゃわかる」と言いたいところなのですが、それを言ってしまうと自分自身が過去に無意識に誰かを傷つけたかもしれないという若干の後ろめたさを感じてしまい何ともムズムズする作品でした。
そうか、カツセマサヒコさんの作品は「ムズムズ」するのが共通点なのかもしれない。これも何となくだけど。
あとは、本屋で見つけたときに「きれいな装丁だな」と思いました。
そして、手にとりながら表題の「ブルーマリッジ」の近くに書かれている英字の副題が気になりました。
気になったけどそのイディオムの意味は調べずにおきました。
読み終えて、「やっぱりこの英字はメッセージだったんだな」ということで納得。
いろいろ考えさせられる部分があったので、少し期間をあけてからもう一度読んでみることにします。
読み終えた翌朝に感じる余韻は、
「まわりにいる人を大切にして、日々を精一杯生きよう」
といういつも通りのもの。
それを再認識させてくれた「ブルーマリッジ」、上半期を締めくくる良い読書でした。
2024年下半期も気ままに読書を楽しみたいと思います。
*記事を書くのにカツセマサヒコさんのことを調べていたら、深夜ラジオの番組に出演していることを知りました。せっかくなのでradikoでその番組「NIGHT DIVER」を聴きながら書きました。
声に納得という言い方も変なのですが、
「あー、こういう声だろうと思ってたわー」(意味不明)
と思いながら聴きました。
《深夜に東京の夜に潜る》という番組コンセプトが素敵です、毎週聴くことになりそうです。