迫り来る「音」
私はいつの頃からか
極度に「音」を受け入れなくなった
たぶんはじまりは雨
雨の「音」に心地良さを感じた
大雨ではない雨
『サーッ…』
という「音」のみで
他の「音」は雨に飲み込まれてて
すごく落ち着いた
その頃から音楽を聴かなくなった
テレビを観なくなった
「音」が煩わしいものと認識された
そのうち
聞こえてくる「音」すべてが煩わしく感じるようになってしまった
自分が起こす「音」も
コップを置く
食器がぶつかる
扉が閉まる
電化製品から起こる「音」も
神経が過敏になり過ぎているときは
「音」がした瞬間
耳がピリッとするし
身体全体がビクッとする
そのあとは動悸に近いほどのバクバク感
落ち着くまで少しかかる
酷い状態と認識したのは
枕に耳をつけて塞ぐようにすると血液の流れる「音」がするのだけど
その「音」さえ煩わしく感じたとき
何かの本で
やはり「音」に悩まされて
「音」を排除していくというものがあった
その人は最終的に
心臓の鼓動がうるさく感じて
心臓にナイフを刺した
「音」が聞こえなくなった瞬間
心から安堵したという話
フィクションであったけど
あまりにも理解できてしまって
震えが起きたことを覚えている
今はそこまで「音」から逃げてはいないが
それでも携帯からの通知音などには
ドキッとしてしまう
聞こえないと不便もあって「音」が出るようにはしてあるが
かなり小さい「音」に設定してあるのだけど
不意に訪れる「音」に対しては
今も怖い
そう
「音」が怖いんだ
だから「音」から逃げている
迫ってくる「音」から逃げている
飲み込まれないように
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写真お借りしました♡︎
ありがとうございます(ㅅ´ ˘ `)☆*。
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