妄想のままで
私、過去に人の首を絞めたことがあった
ほとんどが妄想だと思っていたけど
実際に1人いた
もちろん死んではない
3年半付き合った彼だった
すごく真っ直ぐに私を求めてきてくれて
私の冷たい心を溶かしてくれるような人だった
その優しさに甘えて
彼が私の思うようにならないとケンカをした
彼にとっては理不尽な言われようなものばかり
それでも好きだと言ってくれていた彼
愛を確かめるためにぶつかった
ケンカして、気をひくために家を飛び出せば
心配して探しに来てくれる
怒っても、泣いても、どんな私も受け止めてくれてた
その彼に1度、首を絞められた
『苦しめてごめん
2人で幸せになるためにはこうするしかない
一緒に死ぬから』
って
その時、幸せで涙がでた
殺されるというのに
でも、それだけ彼を追い込んだのは私
彼は泣きながら
それ以上力を入れてはこなかった
そして何度も何度も
私に『ごめん』を繰り返した
その後、私はそれまでの行動を反省して
なるべく穏やかに過ごすことを心掛けた
だけど…
彼は他の女性を選んだ
こんな私より
絶対に幸せになれる
彼にとってはそれがいい
そう思える「私」と
私を捨てて行くなんて有り得ない
あれだけ私を求めてきていたのに
今さら捨てるの?
そうしたら私は一人ぼっちになっちゃうよ?
信じていいって言ったよね?
結婚しようって言ったよね?
『信じられる』
やっとそう思えたのに…なんで?
嫌だ嫌だ嫌だ
ひとりにしないで
そう思う「私」
追い詰められた私は彼の首を絞めた
私から離れていってほしくなくて
そばにいて欲しくて
その感情の結論が、それだった
彼は抵抗しなかった
抵抗しない代わりに私を見つめ、涙を流した
私の手の力は抜けた
わかってる
そんなことをして彼の心が私に戻ることがないことくらい
わかってるけど
それでも、繋いでおきたかった
離れることが怖かった
彼なしで生きていけるかわからなくなってた
私が好きになれた人
彼にとって私は
私にとって彼は
なくてはならない存在だったのだから
『たくさん苦しめてしまったのは私のほうだったよね
それなのに自分が私を苦しめていると思い
たくさんのことをしてくれていたね
本当にありがとう
あなたが結婚して、子供をもうけ
幸せに暮らしていると人づてに聞きました
幸せで、よかった』
彼に対しては傷つけるための殺害願望ではなかったが
私の中にくすぶって、いつ出てきてもおかしくないもの
そんな妄想に私は捕らえられている
今、その衝動にかられることはないが
人を傷つけてしまう行為は
妄想だけで留まらせたい
妄想で、何度人の首を絞めたか
何度包丁で人の太ももを刺したか
妄想に取り憑かれて、人を目の前にしてその情景がバーチャルで見えた
そんな妄想、他人には絶対に言えない
その妄想すること自体おかしいのだ
その異常性を正常にしなくては
いつかまた
抑えきれずに傷つけてしまう
そう思うことがとても怖い
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イラストお借りしました♡︎
ありがとうございます(ㅅ´ ˘ `)☆*。
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