身体活動は「基準」ではなく個人差を考慮した「ガイド」に。「座位行動」の記載が大きな変更か 〜健康づくりのための身体活動基準・指針の改訂に関する検討会
11月28日開催「第3回健康づくりのための身体活動基準・指針の改訂に関する検討会」をオンライン傍聴しました。
資料 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36565.html
●前回検討会レポート
前回、いろいろありましたが、事前に意見が集約されていたようで、結論から言うと、下記の内容でほぼ了承、座長一任となりました。
【資料1】健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(案)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001171393.pdf
全体の構成は下記になります。
●「基準」でなく「ガイド」に
大きな変更点としては、まず名称が「基準」ではなく、「ガイド」となりました。これは、推奨する身体活動量には個人差があるということ、また基準という言葉自体が誤解を生むことなどから変更したとのことでした。
●運動の定義は今まで通り
また「運動」についても、前回「計画的・意図的に実施する活動」と定義が変わっており議論となりましたが、今までどおり、日常的な速歩なども「運動」とするとのことで、変更なし、その他の言葉の定義についても変更はないかと。
●基準でなく、「推奨事項」の内容
今回の改訂の基本となる身体活動量について、
として下記の新しい表が提示されました。
世代別に詳細な内容が記された「成人版」「こども版」「高齢者版」のリーフレットの内容も、前回の議論部分が反映されており、ほぼ提示内容で了承されました。
●「4. 身体活動・運動に関する参考情報」の新規分
参考資料の新規である「(3)慢性疾患(高血圧、2型糖尿病、脂質異常症、変形性膝関節症)を有する人の身体活動のポイント」は学会からの修正があるかもとのこと。「(8)身体活動とエネルギー・栄養素等について」は身体活動の消費エネルギーの表記の仕方に変更がありそうなことと、サプリなどによるたんぱく質のとりすぎの心配があり、これについても記述が追加となるようでしたが、どちらも大きな変更はないようです。
その他、前回からの参考資料についても、
全体を通して、変更の提案があったのは、「 (2)本ガイドの活用方策 〜運動指導者(健康運動指導士、保健師、管理栄養士、医師等)〜」という表現で、医師や看護師等を「運動指導者」とするのは違和感があるので、予防・健康づくりの専門職などにしては、というところでしょうか。
また、実際にこのガイドを専門職が使うにあたって、使う場により、参考資料の情報の濃淡がわかるとよいといった(産業保健関係者なら何番、介護関係者なら何番をメインにという感じかと)、指南すべきものがあるといいのでは、というものがありました。
とはいえ、全体してほぼ了承。検討会もこれで最後となりました。
検討会を傍聴してきて、やはり改訂で一番大きいのは「座位行動」がコンセプトとして加わったことではないかと思いました。
最終のものは今後またアップされるかと思いますが、取り急ぎ、情報提供まで。