レビー小体型認知症のおばあさん

年齢は80代後半。レビー小体型認知症があり、幻視や幻聴がありました。

何が見えているのか、何が聴こえているのかは分かりませんが、覚醒している間はず〜っとしゃべっていました。

行動も落ち着かず、車椅子に乗っていましたが、立ち上がろうとしたり、どこかに行こうとしたりする姿が頻繁にあり、職員が必ず付いていなければならないような状態でした。

時には職員の衣服を掴んで離さなかったり、不意に怒り出して暴力を振るうこともありました。


なんでこんな利用者を受け入れたのかって?
病院に実態調査に伺った時には落ち着いており、実習生も問題ありませんよと言っていたからです。

ところがどっこい。施設に来たら全然落ち着かず。対応困難な状態になってしまいました。

立ち上がってしまい転倒のリスクが高いため職員が付きっきりに近い形となってしまいます。

それだけでも大変ですが、更に幻視や幻聴に左右されているため色々と訴えてきたり、掴んできたりと付きっきりの職員も参ってしまいました。


さぁ、あなたならどうしますか?







①家族の協力を得る?

②内服で鎮静をかける?

③利用者を窓から投げる?


利用者を窓から投げるのは昔どこかの施設でありましたよね。
ある意味最終手段ですが、その前に出来ることからやってみました。


①家族の協力を得る
旦那さんに面会に来てもらい、落ち着かないため協力して欲しいとお願いしました。
30分くらいは相手をしてくれたのでしょう。その間は利用者から開放されましたが、面会後は落ち着かなさがパワーアップしていました。

たまに面会に来てくれても、いつも落ち着かない状態にして帰っていました。


②内服で鎮静をかける
先生に対応が困難であることを伝え、内服薬を調整してもらいました。
しかし、そんなにすぐには思うような効果は得られずに相変わらず暴れていました。


③利用者を窓から投げる
やりませんでした。


窓から投げる替わりに『認知症についての勉強会』を開き、認知症についての理解や対応についての知識を深めました。

付き添わなければならないなら付き添える時間を決め、Aさんなら2時間、Bさんなら1時間、Cさんなら30分と自分達の限界にならない時間で交代し、全員で対応していくようにしました。
また、看護師や介護士だけでなく、ケアマネ、リハビリ、事務員にも協力を得ました。
気分転換のために散歩に行ってもらったり、話に付き合ってもらったりしました。

家族にも協力してもらい、次の受け入れ先を頑張って探してもらいました。


施設全体で対応をし始めてから数ヶ月、ようやく次の施設が見つかり転所となりました。


満床にしろと上は簡単に言いますが、困難事例ばかりでは職員が疲弊してしまいます。
困難事例に対しては特別手当てみたいのがほしいですね。








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