死ぬことすら出来ない辛さ 35 〜頭を下げて
別に悪いことをして謝っている訳ではないの。
謝っているのではなく、誤って気管の方に食べた物が入って行かないようにするの。
ヘルパーさんが過去にやっていた事例を教えてくれたから実際にやってみることにした。
口に一口入れたら下を向くために頭を下げる。
自分では出来ないから介助をしてもらう。
口に入れたら飲み込むまで下向きでいられるように頭を支えてもらう。
病院ではこのやり方は教わらなかった。
昔は教わっていないやり方は絶対に試そうと思わなかったけど、最近はやってみようと思うようになった。
ヘルパーさんを信頼するようになったのかな。
一口入れたら「 いいよ 」って言うから下向きにして。
また「 いいよ 」って言ったら頭を上げて。
事前に取り決めをする。
勝手なタイミングだと食べ物を奥に運べないし、飲み込めないし、誤嚥する。
頭を下げる角度も重要。
どのくらいか分からないから横から見て、大体何度くらいが良いのかみんなに教えてあげて。
点滴でカロリーが期待できなくなった分をこれで挽回しないとね。
いつもの介助の姿勢にしてもらい、一口目を入れてもらう。
奥に食べ物を運んだら「 いいよ 」
頭を下げてもらいながら飲み込む。
ん?ん?ん〜?
飲めた。「 いいよ 」
頭を戻してもらう。
うん。大丈夫そうね。
前を向いて飲み込むよりも良い感じ。
夕食を夫に食べさせてもらう時もこれでやってもらおう。
どのくらい頭を下げたの?
45度くらい?
ヘルパーさんは女性だから両手でおでこ付近を持つ様にして支える。
お昼はヘルパーさんと看護師さん。夜は夫にやってもらい、また口から食べられるようにしていこう。
食べるスピードは遅くなり、食べる量は以前よりも少ないけれど慣れれば大丈夫でしょう。
その日の夜
夫は自分の夕食を作り、テーブルに並べる。
私の夕食はいつものやつ。
夫は自分の口に料理を頬張ってから私の介助。
ヘルパーさんが帰る前に新しい食べ方を教えてくれたのでその通りにやる。
今までは私の口に入れたらある意味自由時間だったけれど、今回からは自由時間はない。
それでも、自分が食べる、私が食べるを交互に繰り返し、ワインを飲んでほろ酔い気分になりながらも介助をしてくれている。
初めてのやり方ではあるけれど、酔いながらでも上手にやっているのだからすごいと思う。
我が夫ながら天晴れだと思うけれど、酔いながらではなければかっこいいのになぁ。
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