死ぬことすら出来ない辛さ 31 〜異変
高カロリー輸液にしてもお昼は食べるのよ。
ヘルパーさんにお昼の準備をしてもらう。
量はいつもの半分で良いから食べておかないと、飲み込む力が弱くなったら楽しみが無くなっちゃうからね。
やっとここまで食べられるようになったんだから。
また一からリハビリをやって食べられるようにするのは嫌だわ。
「 高カロリーにしても食べるのですね 」
「 何?介助するの嫌なの?」
「 いえ、食べなくても良いように高カロリーにしたのかと思ったので 」
「 食べなくなったことで食べられなくなったら嫌でしょ。だから少しでも良いから食べるの 」
看護師にも説明して介助してもらう。
相変わらず飲み込みにくいけど量が少ないから時間内には終わった。
いつもの様に口腔ケアと吸引をしてお昼寝タイム。
午後は足浴よろしくね。
一時間もしないうちに目が覚めた。
もともとそこまでグッスリ眠れないけど何かがおかしい。
「 足浴の前に吸引して 」
点滴による水分量は増えていないし、食べる量はむしろ減ったのに唾液の量が増えているように感じる。
ヘルパーに唾液を吸引してもらう。
痰ではないので持続吸引でも良いが、やっぱり吸ってもらった方が早くてスッキリする。
しかし、おかしい。
看護師が来たら聞いてみよう。
看護師に唾液の量が増えたことを伝える。
熱はないし呼吸状態も問題ないので様子を見るしかないと思いますが・・・
やはり問題はないのか
「 唾液が増える原因って何? 」
「 そうですね。例えば、ストレスで唾液の分泌量が増えることはありますが・・・ストレスだらけですよね 」
「 ストレスなんだ 」
「 不安な事とか心配事とかが多いとストレスとなって唾液が増えますね 」
「 飲み込みが悪くなったからかな? 」
「 それも不安の要因ですよね。原因は分からないのに症状が出る。医師に相談しても原因が分からないのは不安ですよね 」
「 どうすればいいの? 」
「 今は吸引するしかないかと。飲めるなら飲んでも良いのですが、誤嚥しやすいので吸引する方が良いかと 」
看護師は聞けば色々と教えてくれるからありがたい。
分からなければその場で調べて教えてくれる。
夫は欲しい商品はネットで調べて購入するのに、私が知りたいことは面倒だからと調べてくれない。
手が動けば、指が動けば自分で調べられるのになぁ・・・。