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【企画参加】 令和版百人一首 恋の巻 〜 夏の部①

みなさま、ご機嫌麗しゅう。

三羽 烏さん企画の
令和版百人一首 恋の巻【夏の部】開幕 です。

姐さん相変わらずのマイペースで引き続き参加させていただきますん。



さて、姐さん作の恋の巻、如何に。




濡れがらす 大葉の影で雨宿り
帯ほどかれて 愛でしあじさい


三日月巴



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 ぽつぽつ来たな、と思いながらも逸る心に任せて傘持たず駆け出すと、急に激しく降ってきた。梅雨入り、夕立ちと言うには遅すぎて陽はとっぷり落ちているが、藍染色の空を見上げるとそこには徳次の顔が見え隠れする。
 無理を言って早めに上げて貰った店を後に、天麩羅の油の匂いのついた黒髪もこの雨でどうにでもなれ、と並木の葉に隠れ雨宿りしながらつつと後れ毛を撫で付ける。ややキツめの帯を整えながら徳次が解く腕に力強く浮き出る筋が、頬を高潮させる。
 先に着いた待合いでばたばたと打つ雨の音を耳に外を見る。文香の黒髪はすっかり濡れて烏のように艶っぽい。程なくして流石の雨で尻端折りした徳次が逞しい足で急ぎながら近づくのが見える。
「文香っ。」
「徳さんっ。」
雨に濡れ張り付いた紫陽花柄の薄物をちらと目に、丁度良く熟れた桃の皮を剥くようにはらりと落とし、しっとりとした細い肩を味わう。そいや、と帯を飛っぱがせば既に躰は桃源郷…



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【春の部】もう一度、あはん♥








いやん♥

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