「陶器リング(pottery ring)」製作日誌:伝統と革新の融合
こんにちは、サクライです。
ついに指輪製作を現実のものとするために、Tee.さんのご協力を得ることができたco:doチーム。
思い付きで始まった取り組みが、しっかりとした企画として進行していくこととなりました。
2021年1月、地域活性化をテーマにしたファッションアイテムとして、地元の伝統的工芸品である松代焼を中石に用いた指輪の完成に向けて、松代陶苑さんにて顔合わせを兼ねたキックオフミーティングを開催。
年齢や業種、そして歴史や背景も異なる三者が、一堂に会して知恵や経験を元に意見を出し合うことは、居合わせた誰もが初めての体験でした。
理想と現実のバランスを考えながら、自分たちが作っていて楽しく、そしてお届けした一人ひとりの生活を彩るようなアイテムをイメージして、完成形を目指す。
伝統と革新の融合なんて格好良いことを言いながら、みんなで子供のように楽しみながら打ち合わせをしていきました。
▶︎松代焼の中石
第一の関門は、中石となる松代焼でした。
半纏の陶器ボタンの際にも、ニシザワからご説明をさせていただいた通り、松代焼は天然素材にこだわり自然由来の原料のみで手作りで製作されています。
天然素材や自然由来という言葉を聞くと、「自然に優しいんだろうなー」というイメージが先行するかと思いますが、『製品がブレやすい』という大きなデメリットも同居しているのです。
それはもちろん一つひとつの味の違いの楽しみともイコールなのですが、指輪の中石という役割を求めたとき、可能な限りブレを出さないように努める必要がありました。
そんなある種のハンデとも思えるような縛りを持ちながら、松代陶苑さんは生活陶器としての松代焼を、まるで工業品のレベルにまで均一を目指した製作を続けてきていました。
その底力により、今回の陶器リングが実現したと言っても過言ではありません。
いつも無茶振りばかりを笑顔で対応してくださる小澤さんをはじめ、松代陶苑の皆様には、一生頭が上がりません。
▶︎シルバー925の指輪
前回のnoteでもお伝えした通り、Tee.の早川智也さんはハイジュエリーブランドで経験を重ねた、貴金属装身具製作技能士の一級を有するクラフツマンです。
そんなTee.さんの工房はインダストリアルな雰囲気とアーティザナルなこだわりが詰め込まれた空間です。
彫金の作業の際に、金属を固定するために使用する松ヤニ。
バーナーでどろっと溶かしたところにグッと押し込んで動かないようにします。
この物凄い量のペンチたちは、co:doメンバー・サトウの本のくだりのように無くしては買って、買っては見つかってを繰り返したわけではなく、一つひとつの用途に合わせて全てが必要な道具なのです。
一点もののオーダーメードにも対応しているTee.さんは、クライアントとイラストでイメージを共有するところから始まります。
丁寧なヒアリングから、経験に裏打ちされた提案力により、まるで大船に乗ったような気持ちで企画を進行することができました。
ワックスと呼ばれる蝋でデザインのあたりをつけて、微調整を重ねてサンプルを作っていきます。
これが指輪の型にも繋がっていくので、油断や妥協はできません。
こうして出来上がったワックスサンプルは、完成形をイメージするのに十分な面構えに。
こうして決定したデザインの型を取り、シルバーリングが作られていきます。
レーザーで刻印されていく、それぞれのロゴ。
左に松代陶苑さんの「松井窯」の印、右にTee.さんのロゴ、そして中央にco:doのサスティナブルロゴを配することで、コラボレーションを表現しています。
noteでお伝えするとあっという間ですが、検討や調整を重ねて、商品の形にすることができました。
いよいよ次回はデザインのこだわりや、製作の裏側にフォーカスを当てていきます。
▶︎今日の一曲
お伝えすることが多くて「サクライ雑記」を書けてない反面、今日の一曲シリーズもコンパクトに好きな曲をお伝えできて、個人的には気に入ってます。
伝統と革新、過去があって今がある、ということを考えていると、ふとそれぞれの時代のファッションやスタイルの違いをプロモーションビデオで表現しているこの曲を思い出しました。
The Fugeesの紅一点であり、「天使にラブソングを2」ではウーピー・ゴールドバーグの生徒役を熱演したLauryn Hillの代表曲、Doo-Wop (That Thing)をお届けします。
ではでは。