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文化を探る、考える 京都/スペイン

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スペイン・京都での実体験から、文化=人間の営みを文化人類学のやり方で考えています。 文化とは、紐解いてみるとこんなに面白い!
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#スペイン

動物と文化

動物と文化

文:Rin Tsuchiya

こんにちは、今日はこの村の人々と動物との距離感の話をしたいと思います。あくまで個人的な印象を書いておりますので、そのことを踏まえて一歩引いていただけたら幸いです。

ここはとある民族誌に「農牧地域」と称されているように、市街地を出れば牧場が広がっています。飼われているのはウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、それにこの地域特産のブタです。マドリード周辺の地域や南部アンダルシアで

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ウマのいる生活

ウマのいる生活

文:Rin Tsuchiya

お久しぶりです。今日は裏庭のウマの話です。

スペインの村ではご好意に甘えて空き家に住まわせてもらっています。スペインの家には、田舎だからかほとんどの家にパティオと言われる中庭があり、私の住んでいる家にもパティオがあります。オレンジの木やバラ植わっていて、ネコが勝手に出入りしています。パティオと塀を隔てて、少し開けた土地があります。お隣さんの土地です。

前回来たの

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強すぎる機械たち

強すぎる機械たち

文:Rin Tsuchiya

人間はもはやサイボーグだと論じた人類学者がいる*。読者諸賢におかれては、これを全て額面通りに受け取る必要はない。ご存知のようにあなたの身体は人工知能で動いているわけでもなければ奥歯に加速スイッチも仕込まれていないので、わざわざ確認しなくても大丈夫だ。ただしこの奥歯の仕組みが分かる方は特定の年齢層以上であるという事実を突きつけられる**。

人間がサイボーグだというの

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挨拶の「間」

挨拶の「間」

文:Rin Tsuchiya

以前、スペインで挨拶する際に身体接触が多くてあっけにとられたという記事を書かせてもらった(https://note.mu/_bunka/n/ncfbc16735964)が、今回もスペインの挨拶で戸惑ったことについて書きたい。

私の滞在する村は大きくも小さくもない、人口でいうと3000人の村だ。一歩住宅地を抜けるとヒツジがメエメエ鳴き、ブタがぶぅぶぅ鳴いている平和な

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身体が近い!!

身体が近い!!

文: Rin Tsuchiya

スペインでは日本同様に挨拶をする。朝起きた時、その日初めてあった人に、しばしお別れする時、その日別れる時、などなど。毎日のように挨拶をし、1日のうち何回挨拶するかわからない。
日本でいう「おはよう」「こんにちは」「またね」などに当たる挨拶をするのだ。私の村では、友人や知人ならもちろん、すれ違った見知らぬ人でもすることがある。

ソンナコトイワレンデモアタリマエヤン

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コトバ考 in スペイン

コトバ考 in スペイン

文:Rin Tsuchiya

世の中にはなんと一人走りした日本語の多いことか、と私は時折考えることがある。日本の若者言葉だけではない。例えば海外の人のTシャツやタトゥーについてもそうだ。「その言葉でいいのか?」とつっこまざるを得ない、むしろつっこまねばならないという責任感すら感じることがある。ただし義務ではないので常につっこみは心の中で抑える。

あるとき、スペイン人の友人がこんな写真を送ってき

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