自傷がバレた日②
12/1
私にとって忘れられない日
↓前回
朝の保健室
朝から保健室へ
H先生に会った瞬間、私は「先生K先生(担任)に腕のこと言うた?」と聞いてしまった
必死になっていた。周りに人がいるとかどうでもよかった(他学年だったし)
H先生「?言ってないよ??」
驚いた顔をしながらそう言う先生が嘘をついてるとはやっぱり思いたくなかったし思えなかった。でも私は先生がとぼけてるんだと思った
私「でも親が担任の先生からの電話で保健室の先生が言うてたって」
自分の声がいつもより刺々しいことが自分でもわかった
先生の顔色が変わった
H先生「え、詳しく教えて」
私:前回の内容を何とか伝える
H先生「ちょっと待ってな?私も今わからへんくて動揺してる」 「えぇ、でもそれはびっくりしたなぁ。大丈夫?動揺して傷増えたりしてない??」
腕を指しながらそう言われて初めてこの先生の発言は信じても大丈夫かもしれないと心から思った
今の状況じゃ、傷が増えてたとして私が頷くはずがないのに。本当に言ってない場合じゃないとこんな質問できないんじゃないか
上手に言えないけど自ら報告したのならこんなこと聞けないんじゃないかなと思えた
そして動揺を隠すような少し引きつった笑みも嘘とは思えなかった
そしてH先生は「K先生の空いてはる時間に確認取って今日中に私かK先生から話するようにするわ」と言ってくださった
呼び出し
終礼後、K先生に授業のプリント渡すから職員室に来てと言われた
この時点で薄々勘づく。用意周到なK先生がHRでプリント持ってこないなんて変だなぁと
それでも帰る気満々の私、友人と荷物を持って職員室へ(真実は聞きたかったけど担任と話すのが怖い)
「中入ってきて」
テスト前で入室禁止であるにも関わらずそう言われたので確信
面談室にて
K先生に連れられて奥の面談室へ
K先生は空いてる面談室の扉を開けて「はいそこ座って、はいそこ」
いつも面談等は渋るし話せないので絶対逃げ帰ると思われてたんだろう、かなりの圧を感じ、逃げないですと心の中で苦笑しながらパイプ椅子に腰かけた
K先生「はい、これ。言ってたプリントね。テスト範囲やからよく見とくといいよって」
私:頷きながら受け取ってファイルに入れる
そして本題へ
K先生「昨日お母ちゃんと話した?なんて言われた?」
私は答えられなかった
K先生「じゃあ質問変えるな。お母ちゃんと話したことの中でなんか変やなって思ったことは何?」
K先生にしては随分回りくどい話し方だ
話の内容はある程度わかっていたからこそ、ここからどう話を展開したいんだろう?予想されている(=望んでいる)答えはなんだろう?と頭をフル回転させた
人と話す時、会話を国語の試験のように考えてしまう私の悪い癖
結局答えは出せなくて私はたった一言、「全て」と答えた
K先生は「全て…」と呟いたあと「じゃあもう単刀直入に言うな?」と言った
「○○(=私の本名)のお母ちゃんに電話はした
そこで伝えたのは最近教室に行けず保健室に行くことが多いっていうこととある生徒から腕に傷があると聞いた、リストカットしてるかもしれないということ。
多分それがお母ちゃんの中でごっちゃになってH先生から聞いたみたいなこと(私が言ったこと)になってしまったんやと思うねんな」
私:頷く
K先生「んで腕のことは先生もクラスの子から聞いてんか。誰かは言えんけど。傷があって心配やと
それを聞いたんがいつやったかな……結構前やな
それから注意して見てはいたけど寒くなってきたのもあって先生は傷は見てないんです
だから確証がないままお母ちゃんに伝えて結果的に○○の心配を増やすことになってしまったのは申し訳ないことしたなって思ってるんです。な?」
私:頷く
K先生の率直な謝罪に驚いた
非を認める大人がいることに驚いたのかもしれない
K先生「だから知らんねんけどそれ(自分の腕を指指しながら)はほんまなん?」
本当にこの人に言っても大丈夫なんだろうか
でも見た人がいるからなぁ
K先生なら大丈夫やと思うから言ってもいいんじゃない?ってH先生のお墨付きやけど…
なんで知ってんのって聞いてる時点で認めてるようなもんでは?
てかこんな黙ってる時点でめちゃくちゃ不審じゃない?
ぐるぐる、ぐるぐる考えが駆け巡る
一瞬でよくもこんなに頭が回るもんだと我ながら感心した(できれば他に活かしてほしいものだ)
K先生「言いたくなかったらノーコメントでもいいんやで?」
この一言で私は事実を隠さないことにした
実際に傷があると報告されていてこんなにも沈黙が流れた時点で事実だと思われたはずだ
なのに“ノーコメント”という選択肢を与えてくれた先生を信じてみることにした
私は頷きながら「ここまできたら…」と言った
K先生「それお母ちゃんにはなんて言われたん?どんな会話したん?」
私「保健室の先生に腕見せたか聞かれたから見せてないって言ったらほないいんやけどって言われて終わった」
K先生「腕見せろとか言われんかったん?」
私「言われんかった!!」小さく拍手しながら
過去一笑顔だった自覚がある
K先生「拍手やないねん(苦笑)」「ほなお母ちゃんには言わん方がええんやな?」
私:頷く
K先生「お母ちゃんがなんか言うてきはったらどうする?」
私「先に自分に言われるからそんなことはないと思う」
K先生「そうか」
夏や今までの話
K先生「夏は?どうしてたん?半袖着るやろ??」
私「薄手の長袖着てた」
K先生「あぁなるほど」「いつから?」
私「中3、しばらくやめて高1」
K先生「高1の時は?」(どうしてた?みたいな)
私「誰にも言ってないし長袖着てたから…」
K先生「中3は受験?」
私「そう」(厳密に言うと違うし自傷行為という大きな括りで見ると中3〜というのも違うのですがそれはまた後日)
私「気付いた子に申し訳ない…」
K先生「心配してたよ。それは俺もやし、それが○○じゃなかったとしても、誰であっても心配やで」
私「別に…(しんどくないから大丈夫)」
K先生「なんでとかは?」「やっぱりわからんの?」
これ私はとても嬉しかった。この週ずっと教室に行かなかった私は何がしんどいの?と何度も聞かれていた。その度上手く答えられず首を傾げたり振ったりする私。初めて“何がしんどいのかわからない”という状態を認識してもらえたことがK先生が少し近くなったようで安心したし嬉しかった
私:首を傾げる
K先生「いや言いたくなかったら言わんくてもいいんやけど」「H先生とかには言うてんの?」
私:首を横に振る
K先生「H先生は知ってはいはるんやんな?手当てだけ?」
私:頷く
K先生「ほななんか言うとこか?手当てとかでまたお世話になりますみたいな?」
私:頷く
外で友達を待たせてるので帰ってもいいよって言いたいと伝えると
最後に約束したこと
K先生「あ!んじゃもう終わろか」
K先生「これから先生からは一切そのことは親に言わんしもちろん他の先生にも言わん」
「ただお前、月曜か火曜かなんか保健室にも行かんとそこら辺さまよっとったやろ?あれは辞めてな?」
「気分が乗らんかったら別に保健室とか行ってもいいと思うんです。前みたいに体調不良者出て保健室いられへんってなったらまた対応したらいいと思うんです。
でもこれだけは辞めてな、朝家は出ましたでも学校には来てません。な?それは約束して」
私:頷く
K先生「んじゃ終わろか!なんか話したいことあったら言ってくれたらいいし文章の方が良かったらGmailとかでもしてくれたら先生読んで返すから」
文章でいい
メールでもいい
話すことがとことんできない私に先生から提案してもらえたことは本当に助かった。嬉しかった
この後、本当にメールをしたら返信してくださった
メールは返ってこない先生の方が多い(数少ない経験より)
そんな中、返してくださったことが本当に嬉しくて内容も温かくて泣きそうになったのはまた別の話
面談室を出て友達のところへ
先生も友達にごめんなって言ってくださって、私が友達に抱き着いてる間に先生の姿はなくなってた