路線バスで行く『龍神のまち』 室生龍穴神社と室生寺
奈良県宇陀市室生(うだし むろう)には、『日本三大龍穴』の1つといわれている室生龍穴神社があります。
見える能力がないので、数年前からの『龍ブーム』には乗っかれず、『龍』という存在がよくわからないままでした。
前回の大神神社と山の辺の道の記事を書いてから、なぜか本家?に行かなければいけない気がして、調べてみました。
龍穴は車でないと行けない、“秘境”の思いこみがあったのですが、近鉄・室生口大野駅から室生龍穴神社前まで、路線バスが通っているとのこと。
今回も熊野や玉置神社のような、山の中にもバスを走らせている奈良交通さん!
和歌山・奈良の旅は、いつも奈良交通さんにお世話になっています。
当日は前日からの雨継続予報でしたが、晴れてくれるような気がして、思いきって出発しました。(今回は景色を見るほうがわかりやすいので、写真が多くなりそうです。)
奈良は既に晴れていました。
室生口大野駅前から20分ほどで神社前に到着。
室生龍穴神社の祭神は 高龗神(たかおかみのかみ)。
『龗(おかみ)』という漢字は龍の古語らしく、雨+口が3つ+龍、と書くようです。
前回記事の龗神(おかみのかみ)神社で初めて知った漢字。
古代の雨乞いの祈りが、こめられているように感じます。
社務所には村の方が交代で来ているらしく、普段は閉まっているようです。
毎月15日だけは開いているので、天候が怪しくても来てみたかった理由のひとつ。
こちらで御朱印をいただきました。
ここから急な山道を覚悟しましたが、全く心配の必要はありませんでした。
車だとすぐですが、片道20分ほど写真を撮りながら歩きました。
川沿いで景色も美しいので、ゆっくり歩くのもおすすめです。
途中に、不思議な岩の形をした『天の岩戸』があります。
ここから、吉祥龍穴(きっしょうりゅうけつ)はすぐ。
くねくねと、曲がりながら落ちていく滝は初めて見ました。
龍は見えなくても、“龍神さまのすみか”と言われれば納得させられてしまう。
自然の力のすごさと清らかな滝の音に癒されながら、ただ見つめるだけでした。
滝が流れる様子は、インスタの動画から ↓
絶えることなく人が来ているようでしたが、滝周辺は広くないので、混んでいる時は順番待ちになる可能性も。
再び神社まで下り、親切なバスの運転手さんに教えてもらったとおり、室生寺まで15分ほど歩きます。
室生寺に入って不思議に思ったことは、来ている人の雰囲気が違うこと。
パワースポットが好きな方は龍穴と天の岩戸を見て、別の場所に行っているのかもしれません。
一方、室生寺参拝の方は近くの長谷寺に行くのかもしれませんが、すぐ近くに龍穴があることを知らないのかも。(社務所の方が、『ここは龍神さんのまちなんですよ。』と龍穴の説明をされているのが聞こえました。)
室生寺はかつては龍王寺と呼ばれていた時代もあったらしく、見どころがたくさんありました。(一周すると2時間あまり。)
ずっと気になっていた修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)によって室生寺が開かれたということを、ここに来るまで知りませんでした。
彫像が弥勒堂(みろくどう)内にあります。(初めてお姿?を拝見して感動…。)
室生寺内はどこを撮っても絵になるので写真をとりすぎましたが、なるべく厳選します。
池横の階段で、大音量で数匹のカエルが鳴いているので探してみると、わずか1センチあまりの、ちっちゃなカエルでした!
緑色ではないけど「モリアオガエル」かもしれません。
奥の院までは石段が約400段!
入口から、さらに澄んだ山の空気に包まれます。
高野山の『奥の院』と空気は似ているけど、こちらはたどり着くのに少々試練が必要なようです。
三輪の逃げ足の速いヘビさんと違って、今回のヘビさんは舌をピロピロしながらこちらを見るので、スマホ片手に数秒間見つめ合ってしまいました。
その後、『マムシ(毒へび)に注意!』の看板があちこちに!
あの堂々とした態度はもしかして!と、怖くなり社務所の方に聞いてみたところ、マムシは夜しか出ないとのことでした。
御影堂(みえどう)の石段を2段上がっての中をのぞいてみたら、少し若い感じの42歳の空海さんが!
苦労して登ったこともあり、ありがたさでいっぱいになりました。
私にはサプライズでしたが、気づかず帰っている方が多いかもしれません。
社務所では、弘法大師と書かれたここだけの御朱印や、“奥の院限定”のお守りなどを販売。
下りは休憩しながら、気をつけて降りました。
帰りは少し先の室生寺バス停から、16時41分発の最終バスに乗る予定。
このあたりの飲食店は、16時には閉まるようです。
お昼ご飯抜きで歩いていたので、唯一営業していたおばあちゃんのお店で、ヨモギ入りの回転焼きを3つ購入。
ホカホカで優しい甘味で、バスを待ちながら2つも食べてしまいました。
無事、最終バスに乗車。
他に誰もいなかったので一番前の席に座り、優しい運転手さんと奈良についておしゃべりしながら帰りました。
奈良交通の運転手さんは皆さん親切な方ばかりで、いつも丁寧な対応をしてくださいます。
おしゃべりしているうちにあっという間に到着したので、いつもお世話になっているお礼をお伝えするのをうっかりしました。
そのうちまた伺います!
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