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ミルク色のガラスに惚れた

 日常使うもので、今日は私の好きな製品のなかからマグカップのことを書こうとおもった。

 たぶんはじめは映画か何かで目にしたんだとおもうんだけれど、アメリカの耐熱ミルクガラス製品『ファイヤーキング』のマグカップなどを好んで使っている。アンカーホッキング社のこの製品が誕生したのは1941年、耐久性に優れ、豊富なバリエーションの製品は当時のアメリカのダイナー(食堂)や家庭で人気があり大量に生産された。ファイヤーキング製品は1986年に製造を終了しており、現在流通しているファイヤーキング製品はヴィンテージ、デッドストック品ということになる。(アンカーホッキング社はいまもある)

 ファイヤーキングの中でも特に人気の高い(たぶん)『ジェダイ』シリーズの翡翠色に、私も惹きつけられた。半透明のミルクガラスの色や質感には何とも言えない魅力がある。

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ジェダイのチョコレートマグとカップ&ソーサー

 いま手元にあるのは、10年ほど前に少しずつ集めたもので、ここ数年は買い足したりしていない。私は蒐集家ではないので、これだけ(20個くらい)あればじゅうぶんといったところだ。欲しいとおもえばきりがないし、身体はひとつだし。

 自宅でコーヒーを飲むときには、持っている中からそのときの気分などで好きに選んで使っている。ファイヤーキングの好きなところは、とろりとしたミルク色と、ぽってりとした姿、丈夫で手に持ったときのずっしりとした感じ、飲み口のぶ厚いことなどである。コーヒーを飲むときは飲み口が厚いほうが基本的には好きで、例外として夏の暑い日などに苦めのコーヒーをさわやかに飲みたいとおもえば薄いカップを手に取る。自分が気に入ったもので生活するというのはいい。

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 以前勤めていたところにいた同僚、KZさんは私よりひとまわり年長で、職場での先輩だった。10人ほどいた女性社員のなかでもいちばんの古株だったのだけれど、なかなか可愛いキャラクターを持ったひとだった。既婚者で夫とふたり暮らし、しょっちゅう遅刻はするし、仕事中によく間食をするため口にモノが入っているときに電話が鳴ったら「お願いします」と周囲に言う。手みやげ品などを貰ったときには率先して(仕事の手をとめて)分配する。まあでも仕事はきっちりするし、どこか憎めないところがあって周囲によしとされているような、そんな人だった。

 彼女は通信販売が好きでよく利用していたのだけれど、日中は家にいないからと職場に配達されることも多かった。ある日KZさんが届いた荷物を開封していて、気になったから見せてもらった。買い物は波佐見焼、白山陶器の人気シリーズ『BLOOM』のボウル(S)が2つだった。日々の会話から、あまり料理にこだわっているふうでもなかった彼女がこれをどう使うのか気になったので聞いてみたら、「シリアルを食べます」と言ったのがおかしかった。中身はなんでもいいんだ(失礼)。どうでもいいけれど、他の同僚Nさん(最年少)が自宅で100均の器を使っていることについてKZさんは「ちょっとそういうのは理解できませんね」と言っていた。だいじなポイントというのは人それぞれだなあとおもった。

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ランチプレートとカスタードカップ
(ランチプレートはFire-King Japan製品)

 ファイヤーキングの製品は、さまざまな映像作品で見ることができるので、探してみたりするとおもしろいものでもある(そのせいで内容がおろそかになることもある)。

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9オンスマグはたっぷり飲みたいときに

 今日はどれにしようかな。

↑ぶ厚い飲み口が好きなのはたぶんこれの刷り込みだろう。

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片山 緑紗(かたやま つかさ)
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