今日を諦めざるを得ない。
ああ憂うつだ。憂うつな朝だ。
うつ病をわずらっていたり、その気のある人には、分かってもらえるかもしれないが、自己破壊的な側面を持つ強い憂うつな気分というものは、朝、起き抜けにやってくるものなんだよ。
人によっては、仕事帰りに沈みかけの夕日を見ると憂うつになるとか、日曜の夜7時くらいにやっているアニメを見ると憂うつになるという人もいるだろう。でもそれは「ふつうのこと」だから心配する必要はない。
今日、ぼくが起床したのは、朝の9時ごろだった。まあ午前中なんだから朝といえば朝なんだろうが、勤め人にとっては「もう始業の時間だよ」という感じだろう。いつまでも布団のなかでモゾモゾと蠢いているぼくを叱咤したくなるのもうなずけるよ。
ぼくだって毎日を規則正しく自由闊達に生きていられたとしたら、そんなやつを「クズ」と名付けて関係ないことまでとやかく言いたくなるものね。
でも起きたくないんだ。まだ布団のなかでうずくまっているのに、ぼくはもう今日という日をほとんど諦めているんだよ。布団から這い出てしまったら、諦めざるを得なかった「今日」と向き合わなくてはいけないだろう?
分かるかい?
黒い犬は今日もぼくのそばで吠えているんだよ。
誰だって希望に満ち満ちた毎日を過ごしている、なんてことはない。でもけして絶望しきったまま元気に毎日を過ごしているなんてこともないだろう。
会社だりぃなあ……などとふて腐れながらも、何か楽しいことをきちんと持っているはずだ。そのやりくりこそが人生で、この世の大多数の人間は、どこかに一部の不備があれども何とかやりくりをして生きているものだよ。
自己破壊的な側面を持つ強い憂うつな気分というものは、ぼくの頭からやりくりなんていう言葉を消し去ってしまうんだ。そうそう上手く行くと思うなよ。お前は俺様の管理下にある。自分の意志で動いていると思うなよ。お前は俺様に支配されているのだ。ぼくはその圧倒的な力の前に為す術がない。
弱ってしまったぼくは本能的にリスクヘッジをしようと試みる。まず最初に行うのが「今日を諦める」ということなんだよ。
悲しいかな、そうするしか、苦しまずに1日を過ごす方法はないんだ。
ああ憂うつだ。憂うつな朝だ。
著者
Twitter:黒井@ニートブロガー
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