桃始めて笑う - 春・啓蟄のこよみ -
桃始笑 | もも はじめてさく
3月11日〜15日頃
- 春の七十二候 -
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桃のつぼみがほころび、
花が少しずつ咲きはじめる季節となりました。
花が咲くことを “笑う” と表現するなんて
素敵ですよね、昔の人の感覚って。
春らしい朗らかな気分になってきます。
私は梅と同じくらい、桃の花も好き!
ころころとして可愛い。
古来より中国では、桃は邪気を払うものとされました。
庭木に適しているため、鬼門の方角に植えたり。
(昔話「桃太郎」はその謂われからという説が。)
日本には古代にはすでにあったようで
弥生時代の遺跡から桃の種が出土したニュースは
古代史好きには有名?です。
日本の神話「古事記」にも、
黄泉の国から愛する妻を
連れ戻そうとする道中(そして失敗…)
桃の実を投げるという逸話があります。
余談ですが
先週は奈良・東大寺のお水取りも行われました。
奈良時代から続いていて
天下泰安・万民快楽・五穀豊穣・疫病退散を祈り
闇夜のなか炎で祓う、修二会の一行事。
いつか目の前で見たいと思っているうちに
このようなご時世になってしまいましたが…
もうすぐ春分を迎えるこの時期は、
一年の中でも大きな節目なんですよね。
陰から陽へと一気に転じる、
そんな時に邪気払いの桃の花が咲き、
お水取りの歴史も重なるんですね。
偶然なのか、偶然ではないのか…なんてね(*^^*)
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日本の季節感や暦が
昨日よりもちょっと身近に
感じられるような記事を
二十四節気・七十二候にあわせて
更新しています。
四季のうつろいを楽しみ、暮らしを愛おしむ。
せわしない日常の中で
自然の流れを、つと感じてみること。
こんな世の中だからこそ
大切にしたい感覚です。