【Photo gallery】甲府盆地の春
*フォトグラファー・ライターの八ツ本真衣です。不定期で、今まで撮影した写真を組んでアップしています。季節の移ろいを感じる自然の写真や、その人自身の飾らない瞬間が見える写真が好きです。
旅に出ると、日本の国土の6割が山地だということを体感する。
「盆地」はその名のとおり、お盆のようにぐるりと山に囲まれた土地だ。夏は暑くて冬は寒いけれど、どちらを向いても目に入ってくる山々が、季節の移ろいを教えてくれる。
春の甲府盆地は、山の斜面が桃の花でピンク色に染まって美しい。秋にはおいしい桃やぶどうが実る、フルーツ帝国だ。
昔から食いしん坊だった私は、小学校の地理で各都道府県の特産品を覚えるのがとても得意だった。
山梨、甲府といえば、桃・ぶどう。あの頃覚えたことって、大人になっても全然忘れないからすごい。
知識として身につけたことが、経験によって自分の体内に吸収されていく。順番が逆になることもあるけれどいずれにせよ、両者の反復で人生が豊かになっていくような気がするのである。
分厚い雲のカーテンから光が差し込むこの一枚が、お気に入り。