モチベーションが低下したときの対処法
5分でやる気がみなぎる呼吸法メソッド
「会社に行きたくない」
「ベットから出たくない」
そんな気持ちでダラダラ朝からスマホを見てしまうことありませんか?
私自身、スマホを見ながらうたた寝、朝起きてベットから出たくない気持ちのまま、スマホでネットサーフィン。あと5分だけ・・・そう思ってあっという間に1〜2時間過ぎてしまう。スマホと一緒に寝て起きる、スマホがパートナーのような時間の使い方をしていました。
けれど、少しづつ(数年かけて)朝ヨガと呼吸法のプラクティスを朝時間に取り入れることで、自分の体だけではなく、朝のやる気、「会社に行きたくない&仕事をしたくない」マインドが変化したと実感しています。
朝の時間は私たちの生活の中で最も集中力のある時間帯であり、運動や勉強したりするのに最も適している時間帯です。この貴重な朝時間を自分を変えるために使いたい、そんな人におすすめなのが「火の呼吸法」です。コーヒーよりも即効性があり、しかもノンカフェインです!
火の呼吸法を毎日の習慣に取り入れることで、
もやもやした気持ちが晴れる
「会社に行きたくない」「仕事したくない」気持ちが変化
思考が研ぎ澄まされた感覚
モチベーションが高まり、今日の自分ならなんでもできる!と思える
朝時間を有効活用して、自分の成長と学びのために時間を使えるようになる
集中力が高まり、仕事が面白いくらいに捗る
毎日5分の習慣で自分の体と心が変化するのを実感できます。
そもそもなぜ朝やる気が出ないのか?
残念ながら、そもそも全くやる気がないのに、モチベーションを上げる!といいった魔法のメソッドはありません。
けれど、生理学的に「やる気が出にくい状態」を正常な状態に整えていくことは可能です。
それがいわゆる「自律神経を整える」ということです。
自律神経を整えると言われても、目に見えない体の状態は実感が持ちづらいし、なんだかふんわりしていますよね。
ビジネスパーソンがサウナに通って「ととのえる」ことが流行っていますが、実際に体の中で何が起こっているのか、サウナを例に説明します。
このようなサイクルを繰り返すことで、交感神経と副交感神経のバランスが整えられます。
サウナと水風呂に入ることで、交感神経と副交感神経のバランスを強制的にコントトロールし、心身の「リラックスモード」を作り上げているというわけです。
それでは、仕事を始める前や、大事な会議・プレゼンの前に「やる気モード」を強制的に作り出すことはできるのでしょうか?
交感神経と副交感神経は自律神経とよばれ、自動的に制御されています。そのため、完全な切り替えは難しいと言えます。
けれども自律神経が司る体の機能のなかで、呼吸だけは体の反応に影響を与えることができるのです。
つまり、呼吸をコントロールすることで、交感神経・副交感神経に影響を与えることは可能ということです。
なぜ他の運動ではなく、呼吸なのか?
自律神経である交感神経・副交換神経のバランスをとる方法は、サウナの他にも、ジョギングや筋トレ、ヨガやマッサージ、散歩などたくさんあります。
けれど、朝5分で強制的に交感神経のスイッチをONにすることができる方法は多くありません。
私は、アシュタンがヨガという流派のセカンドシリーズというシークエンスを毎日90分かけて実践しています。プラクティスが終わる頃には、体が活性化しエネルギーが満ちてくるのが感じられます。
けれど90分かけて練習するという時点で、非常に時間効率が悪いとも言えます。(私は好きで楽しいからやっていますが、忙しいビジネスパーソンであれば朝90分も時間を作ることは難しいのではないでしょうか?)
そういった意味で、呼吸法は5分実践するだけで、体への負担なく大きな効果(交感神経を活性化させる)を得ることができる非常に時間効率のよい習慣と言えます。
短時間で高強度の運動を行うHIIT(高度インターバルトレーニング)やバーピーと呼ばれる全身運動、全力ダッシュなど、他にも交感神経を活性化させる活動としてやる気や集中力を高めてくれる方法はあります。
けれど、汗をかかず、体に強度の負荷をかけず、毎日続けやすい、という観点で呼吸法を習慣にすることは、効率の面からも合理的かつメリットの大きい選択と言えます。
5分でやる気がみなぎる「火の呼吸法」
どんな呼吸法なのか?(インド政府AYUSH省(アーユシュ省)の動画でご確認いただけます)
火の呼吸は、サンスクリット語でカパラバティ「光る頭蓋骨」という意味があります。一言で言うと交感神経を活性化してくれる非常にアクティブな呼吸法です。
とても力強い呼吸法で、熱を生み出すため「火の呼吸」とも呼ばれます。
ヨガの多くの呼吸法では、吸う息をアクティブに、吐く息では受動的、リラックスして行います。
カパラバティ呼吸法は独特で、このパターンを逆転させて行います。つまり、吐く息をアクティブに、吸う息では筋肉をリラックスさせて受動的に行います。
「スッスッスッスッ」と力強く、短く、鼻から息を吐き出すとてもパワフルな呼吸法。気分をスッキリさせてくれ、エネルギーを与えてくれます。
下腹部をポンプのように動かすことで、身体中に豊富な酸素を取り込み、二酸化炭素を体から排出します。カパラバティはパワフルなデトックス呼吸と言えます。
通常火の呼吸吸う息アクティブ(交感神経)リラックス(副交感神経)吐く息リラックス(副交感神経)アクティブ(交感神経)
ハタ・ヨーガの経典によると、カパラバティは最も重要なクリヤーと呼ばれる浄化法のテクニックの一つです。(クリヤーは瞑想の準備のために身体やマインドを浄化するテクニック)プラーナヤーマの練習を行う前の準備として取り組むのが良いとされています。
火の呼吸法「カパラバティ」の効果
ヨガの経典によると、カパラバティを行うことで、腹筋が鍛えられるので、肥満などの防止にも役立ちます。そして、身体全体のプラーナの循環が良くなり、身体を浄化してくれるため、プラーナヤーマの練習の準備としても推奨されています。カパラバティは、力強く吐く息を使うことで、新しい新鮮な空気の流れを生み出します。たくさんの酸素を取り入れ、二酸化炭素を吐き出すという循環を意図的にリズミカルに行うカパラバティ。身体的な効果だけでなく、精神的、エネルギー的な面でも多くの効果が期待できます。
ぽっこりお腹を引き締めてくれる(腹横筋が鍛えられる)
リズミカルに臓器をマッサージするため、消化器官の働きを整える
気分がスッキリし、活力がみなぎる
直感力(洞察力)や思考力を鍛える
血液の循環が高まり、記憶と集中力を高める
自律神経のバランスを整える
火の呼吸法「カパラバティ」を行うとなぜ「ととのう」のか?
カパラバティ(Kapalabhati)は、力強く短い呼吸を素早く繰り返す呼吸法です(1分間に20回以上)。
そのため通常の呼吸に比べて、カパラバティでは二酸化炭素(CO₂)が多く排出されます。これにより、血中のCO₂濃度が一時的に低下し、体内の酸素(O₂)濃度の相対的な増加が生じます。
低CO₂状態になると、血液のpHがアルカリ性に傾くことがあります。この状態は、一時的に神経系をリラックスさせる効果があるため、精神的なリフレッシュや落ち着きを感じることができます。
さらにカパラバティによる交感神経の刺激後にゆっくりとした呼吸や瞑想を行うことで、副交感神経が優位になり、リラクゼーション効果を感じます。
これにより心地よいサウナ後のような「ととのう」感覚が得られるのです。
私のおすすめルーティンは、
の順番で行うやり方です。
シャヴァーサナのあと、冷水シャワーを浴びれば完璧です。「ととのった」状態で1日をスタートできます!
禁忌・やらない方が良いケース
高血圧、心臓疾患、腰痛のひどい方
生理中、妊娠中の女性
夏・暑い時期は回数を控える
注意事項
高血圧、心臓病、緑内障、または肺の疾患をお持ちの方は、呼吸法を始める前に専門の医師にご相談ください。
カパラバティのやり方
準備:
練習前に鼻をかんでおきましょう。
やり方:
カパラバティを行う時は、吸う時も吐く時も、常に胸郭を引き上げ続けることがポイントです。できれば、胸が下に下がってこないよう、最初のうちは、肋骨の上に手を当てて確認しながら実践してみましょう。
吐く息では、できる限り力強く、早く、一気に吐き出します。下腹部に空圧を打ち付けるようなイメージで行います。反対に吸う息では、お腹の筋肉はリラックスさせ、吐く時の4倍の長さで吸います。胸郭、横隔膜、肩は動かさず、下腹部の筋肉のみを使います。(横隔膜はリラックスしたまま、動かさない)
胸郭の上に両手を当て、胸を引き上げ鼻から息を大きく吸います(常に引き上げ続ける)
胸郭、横隔膜、肩は引き上げたまま、下腹部に空気を打ち付けるように鼻から一気に力強く吐きます。
すぐに腹筋をリラックスさせ(胸郭は引き上げたまま)吐く息の4倍の長さを意識して吸います。(吐く息だけに集中すれば、吸う息は自然に起こります)
一定のペースで20ストロークを3回繰り返します(まずはゆっくりのペースに慣れてきたら少しづつ回数・スピードを上げていく)
興味のある方は、ぜひお家で実践してみてください。
心地よい習慣なら続けられる・火の呼吸を続けたくなる理由
カパラバティは交感神経系を一時的に刺激しますが、その後のリラクゼーションや静かな呼吸法により、副交感神経系が優位になります。副交感神経系の活動が高まると、心拍数が低下し、全身のリラックス感が増します。この交感神経と副交感神経のバランス調整が、心地よい感覚を生み出します。
私たちは、コーヒーや甘いチョコレートがやめられなくなるように、この心地よい呼吸も慣れてしまうとやみつきになります。しかも、カフェインや糖分のように副作用がないのが素晴らしいところです。
実践後すぐにポジティブな感覚が得られるため、この即効性がモチベーションを高め、続ける動機にもなります。
私自身、呼吸法(プラーナーヤーマ)の実践を始めたころは、正直言って、心地よさを全く感じられずアーサナ(ポーズ)の練習ばかりにフォーカスしていました。
呼吸は、体を使うポーズのプラクティスよりもっと微細で、体感しづらいのだと思います。
南インドでカパラバティを継続して練習することで、「ととのう」感覚がはじめて体感できた時は本当に感動しました。汗をかいてととのった後の朝食は最高です!
結論・朝5分の「火の呼吸法」でやる気が向上
火の呼吸は5分で実践できるため、時間効率のよい習慣
交感神経を活性化してくれるため、朝行うことでやる気と集中力を向上させてくれる
火の呼吸の練習のあと、ゆっくりした呼吸を行うことで「ととのう」感覚を再現できる
【参考】火の呼吸に関連する近年の研究結果
要約:この研究では、カパラバティの実践中および後の心拍変動(HRV)と脳波の変化を調査しました。結果として、カパラバティの実践中には副交感神経の撤退と交感神経の活性化が見られ、HRVに有意な変化が観察されました。一方で、脳波の変化はほとんど見られませんでした。この研究から、カパラバティは初期的には活性化や浄化をもたらすが、実践中には副交感神経の減少と交感神経の活性化が起こることが示されました。また、実践後にはデフォルトモードネットワークの制御が示唆されるガンマ波の活性化が増加しました。
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