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《育児日記》つ、き、

息子が「月」と言った。三つ目の発語。
スムーズには言えないようで「つ、き、つ、き、つ、き…」と、しかもなぜか小声で言っている。

朝でも昼でも日が暮れてからでも散歩するので、月をよく見ている。夜も窓から一緒に見る。月は、育児の記憶になりそうなもののひとつ。
最近はわたしが持っている星空の写真集を気に入って、一緒に見てくれる。親友が昔くれたもので、それを息子と見る日が来るなんて感慨深い。
星空や月に興味を持つのかなと想像していたら、今日はその中に映る、鳥に興味津々だった。からだをくるっと丸めて、夜の湖に浮かんで眠る白鳥たちだ。

発語を急かすつもりはないけど、2日に1度ほど「そろそろ喋らんかい」と思ってしまう。
要望が細かいからだ。
「湖で眠る白鳥のページが見たい」というのも、「あ!あ!あ!あ!あ!」と言うので最初さっぱり分からず、だんだんいろんなジェスチャーをしてくれてようやく理解ができた。最初にそのページを見た時、わたしが鳥がパタパタ飛ぶ仕草、くるっとからだをまるめる仕草、すやすやーっと眠る仕草をしたことを覚えていて、少し怒りながら全力で同じジェスチャーして伝えてくれた。
全部覚えていたことと、伝える熱意に感心する反面、「と!り!鳥!、ぐらいなら何度も聞いてるし言えるのでは…?」と思ってしまった。

こないだも支援センターの保育士さんに「いないいないばあーとワンワンが言えるようになった」と話したら、「もっと話しかけたらいいのかもね」と言われた。
前にもnoteでこぼしたが、わたしは日々ほとんど四六時中話しかけていたのだ。
最近は緩めている。喋りすぎてて疲れてきたのと、初の発語が「いないいないばあ」と「ワンワン」だったことで、話しかけることにそこまで力を入れなくても良いのかもと思ってきたのだ。
だって犬のことは「いぬ」と教えているし、「いないいないばあ」より話している単語はごまんとある。
そして気づいたのだ。「いないいないばあ」も「わんわん」も、Eテレの「いないいないばあ!」から覚えたのではないか。ずっと話しかけていた私って一体…いや、いいんだよ、自分のためにやってたとこも大きいし、きっとこれから、言語のダムが決壊するのだ。たぶん。分からんけど。

それに息子はスピーキングはまだそんな感じでまだまだだけど、ヒアリングはかなりできている。しゃべくりまくってきた意味はあるのだ。こちらが言うことはほとんど理解して、適当なリアクションがあるので感動する。
最近はとにかくお手伝いとか、人とか猫のお世話がしたいらしく、「トイレに行くね」という夫をトイレまでアテンドしたり、猫にご飯を持って行ってみたり、私が「お腹痛い」と言えばさすってくれるし、食事中も「飲んでる?」「あれを食べなさい」などと(すべて「あ」と指差しで)言ってきたり、なにかと甲斐甲斐しく皆の世話をしてくれている。

吸収し咀嚼した言語は、息子の脳内でどうなっているのだろう。知った単語が言葉として口から出るまでって大変なんだなと思う。

夫は、いまだに「パパ」「ママ」を言わないことに寂しさを感じているようだけど、私としては実用的な発語が早く出れば嬉しい。
遊ぶときも「この電車はここ!そのあんぱんまんは乗らない!」「それは動かさない!!」「そのぬいぐるみにアフレコせい。」「?!設定は新幹線ではない!!そのトマトを食べるのだ!!」などなど、息子の中でだいぶ細かく設定があるようで、辿り着けずに怒ってしまうことも多々あり、そのへんに役立つ便利言葉を何か…そんな言葉があるかわかりませんけど…ひとつ発せるようになってくれたら大変助かるのにな。そんな横着な母ですが、発語は毎回ほんとうに感動している。つ、き、つ、き。

冬用のフワッフワの毛になりました。
毛布が好きです


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