親としてできること
Ⅰワンオペ育児
私の子供は本当に寝ない子だった。30分寝たのがながかったということが1年半ぐらいつづいた。
抱っこしながら子供を寝かしつけ、布団におろそうとするとなにかのスイッチがはいったかのように子供が目覚める。それが続くといい方法がないかと考えた。試行錯誤しあみだした方法は、私が横になりそのおなかの上で寝かせる。子供が寝た瞬間に、私も同時に寝る。これで少しは寝られるようになたものの、圧倒的に連続して寝る時間が少ない。疲れがとれないばかりか、初めての子育てでの戸惑い、話し相手がいない状況、一時も子供から目が離せないプレッシャーで押しつぶされそうだった。
生後何ヶ月の赤ちゃんを母親が虐待したというニュースが時々でるが、私は共感してしまう。虐待こそしていないが、気持ちには一切の余裕がなく、追い詰められていた。
Ⅱ育児と家事に仕事
家にいると話し相手もいなく、どんどん追い詰められていたので子供が生後3ヶ月ごろから働き始めた。
すぐに保育園にいれることはできず、子供とともに仕事にでた。数時間ごとにトイレにいき、子供に母乳やミルクをあげながら事務仕事をした。仕事中もパソコンデスクの横に子供がいるため電話がきたときに子供が泣かないように…と気を使いながら働いていた。普段より気をつかいながら仕事をするため余計に疲れていたと思う。
ただ、家に子供と二人っきりでいるよりは仕事をしていたほうが私にとってはよかった。
お金にも余裕がでたし、話し相手ができ、一緒に子供のことも話せた。そして、なにより仕事で褒められると純粋に嬉しかった。育児や家事をしても誰にも褒められない。むしろすることが当たり前のような言動をされるので、誰かに何かを褒めてもらえるのは1番嬉しかった。
1歳児から保育園にもいけるようになり、余計に仕事を頑張った。今後の学習費用として貯金も必要だろうと精をだした。休みはやすみで溜まっている家事をし、平日に一緒にいられない分子供と外に遊びに出かけた。
仕事も楽しみ、子供とも向き合い、とても充実していた。若いうちに働いておこうと思い、自分の身体をいたわらずに毎日を過ごしていた。
Ⅲ子供のために
その結果が今である。ガンになった。市区町村から検診のハガキがきていたのは知っていた。いつか行こうと思い棚に置き、そのままだった。30前半の私がガンになるはずがないとたかをくくっていたのかもしれない。
一緒に遊ぶことが子供のためだと思っていた。
将来のために時間が許す限り働くことが子供のためだと思っていた。
みんながすごしやすいように家事をすることが子供のためだと思っていた。
が、それだけではなかった。自分が生きることが子供のためにもなることを知った。そして、子供の成長を見届けるためにも自分が生きなければいけないと思った。
Ⅳ検診にいこう
ガンと知って、動いたことがある。同年代の友達に『ガンになった』と告白することだった。
私はどこかでガンは60歳ぐらい以上の人がなるものだろうと思っていた。しかし、決してそうではなかった。身近なものだった。それをみんなにも感じてほしかった。そして、みんなにはガンになってほしくなかった。そのためにも私のことを話すべきだろうと思い、連絡した。
これを読んでいるあなたにもどうか検診にいってほしい。
昔よりは治療薬がでていたとしても、まだまだガンはこわいものだ。忙しいのはわかる。が、1日だけ病院にいってみてほしい。
市区町村の無料検診は2年に1回かもしれないが、1年に1回は検査を受けることをおすすめする。(私がなった進行が早いガンもあるため。)そして、大切な周りの人にも検診をすすめてほしい。
いま私にできることはこうしてガンの体験談を語り、検診に行く人が一人でも増えるように祈ることだ。