#31 ボランティア以上、ビジネス未満・続き
前回、ボランティア以上、ビジネス未満、について私の経験を交えながらご紹介しました。今回ももう少しお話したいと思います。
ボランティア以上、ビジネス未満、というのは、人件費・交通費は出ない、助成金などを活用し、赤字までにはならないが、黒字も出ない、しかし、時間や手間はかかる、という状態のことです。
そこで、ボランティア以上、ビジネス未満の団体と関わる場合、
少々注意が必要なのは、次のような場合です。
・土地を持っているが使っておらず、誰かに利活用してほしい
・建物はあるが、使い方が分からず、誰かに考えてほしい
・使える野菜などはたくさんあるが、調理や加工する人がいない
・材料はあり、調理・加工もできるが、商品化や宣伝ができない
・商品があっても、売り手がいないetc
「地域おこし協力隊」として、
このような背景のある団体と関わる時は要注意です。
このような方達は、常に「してくれる人」を探しています。そこへ、「地域おこし協力隊」に出会うと、自動的に「やってくれる人」と認識されます。
なんてったって、その名も「地域おこし協力隊」ですし、そりゃ、何かしてくれる人やろ?と認識されます。それに、昨今の、移住者を紹介するテレビ番組や、地方・田舎に引っ越してきた人を紹介する番組では、何もしていない移住者は紹介されません。ま、テレビなので当たり前ですが。起業している移住者、何かに取り組んでいる移住者、などがたくさん取り上げられています。そのおかげ?で、移住者=起業する人、活動する人というイメージが大きくなっています。
さらに、「してくれる人」を探している人は、当然ながら、「自分でする」という意識がありません。本業で忙しいですし、本業がありますから、経済的にも、しなくてもいいんです。しかし、誰かがやってくれるなら大歓迎。あわよくば~。
このように、「自分でする」意識がないので、「地域おこし協力隊」がんばれ、「地域おこし協力隊」にがんばってもらわないとする人がいない、となります。
それで、このような背景を持つ、ボランティア以上、ビジネス未満の団体と関わると、「地域おこし協力隊」だけが一生懸命取り組む、という流れが生まれます。これが私が要注意だと思う理由です。
「地域おこし協力隊」がこのような団体の支援をしてはいけない、と言いたいのではありません。そして、このような団体に限った話とも言えません。
私が感じた最大の問題点、なぜ、「地域おこし協力隊」だけが一生懸命取り組むことが、そんなによくないのか。それは、
がんばるのは「地域おこし協力隊」ですから、3年間学んで、知識を得たり試行錯誤して、成長するのは「地域おこし協力隊」本人です。
そこへ「地域(の人達)」が関わらなければ、「地域(の人達)」が気づいたり、学んだり、試行錯誤して、成長する機会は生まれません。
同じ3年間という月日が経過したのに、学んで成長したのは「地域おこし協力隊」本人だけ。さらに、せっかくいい人材となった「地域おこし協力隊」も去っていった場合、地域には何が残るのでしょうか。また3年前と同じところからのスタートでしょうか。人がおらん、人がおらん、と。
仮に「地域おこし協力隊」が去ったとしても、活動に関わって、少しでも一緒に「地域振興」に取り組んでいれば、大なり小なりの気づきや、学び、試行錯誤があり、その過程そのものが「地域(の人達)」の経験値・自分達で取り組んでみたという自信になり、それが財産となり、次に活かせるかもしれません。
私は、この「過程」こそが一番の「地域振興」の「素」だと思っています。
「地域振興」に答えはないのだから、地域の人が誇れる地域づくりを目指す「地域振興」でも、何か一つ経済効果が見込めるような取り組みの「産業振興」でも、どちらでもいいんです。
そこへ向かって、「地域(の人)」と「地域おこし協力隊」が試行錯誤するから、お互い、気づき、学び、成長していくのだと思います。そのために、税金を使って、わざわざよそから「地域」「おこし」「協力隊」を呼ぶのでは?
そのようにして出た結論であれば、どんな結論であれ、それは立派な、
その地域にとっての、その時点での「地域振興」の答えなのです。
なんちゃって、太字が過去最高多いな!
私の場合は?というと、試みました。
地域全体に私の「地域振興」についての考えを披露したことは一度もありません。しかし、コアメンバー、そう、たった一人のコアメンバーの方1名と、市役所の「地域おこし協力隊」担当者2名を招いて、このnoteでお伝えしているような(今よりは内容が薄っぺらいですが)、私の「地域振興」論を、パワーポイントにまとめて、お伝えしました。これも協力隊OBOGに、ずっと相談していたから、自分で整理でき、言語化できたものです。
で、どうだったかって?
撃沈。。。撃沈というか、伝わらなかったーーーーーーーーーーー!
あら?思ってた反応と違うぞ?私の伝え方が悪かったか??????
と、この最大の難関場面はまた改めてお伝えするとして、
今、任期満了を目前に、このようにnoteでまとめる作業、それが誰かの参考になればいいなと思って、取り組んでいますが、自分自身にも、とてもよい振り返りとなっています。
私は、税金で生活が賄われている以上、一生懸命取り組むのは「地域おこし協力隊」として当然だと思っています。まず自分がしなきゃ、しなきゃ、で突っ走ってきました。それはそれでいいんですが、本当に、私が取り組めば取り組むほど、地域の人達はしなくてもよくなり、地域の人達が気づいたり、学んだり、試行錯誤する機会そのものが生まれないような動きをしていたんだなと、改めて気づきました。
つまりは、
これが、当時の私の限界であり、実力だった、ってことかな!
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