木曜ドラマ silent 第2話
好きな人がいる、って送った
佐倉想
silent 第2話
『好きになってよかった・・・そう思いたい』
やっと会えて、やっと8年前の話ができた紬と想。
このセリフは、1話の最後と2話で初めて会った時の想の拒絶は、想の強さで、紬への想いの強さだったと証明してくれたような気がした。
そして何より、8年間の想の覚悟と再会への戸惑いをたった2回でぶっ壊してこの言葉を引き出した、ここまで素直にさせた紬の行動力に驚いた。それも全部、想への気持ちがさせたとこだと思ったら、尚更。
「泣きたい時に優しくされると泣きたくなるよね」と躊躇なく想の背中をさする8年前の紬、少し躊躇いながら、優しく紬の背中をさする今の湊斗、心配して触れられた奈々の手を誰の手かわからずに振り払うことしか出来ない今の想。
同じようなシーンでも、想いも、状況も、関係性ももちろん違くて、それが痛くて苦しかった。
高校の時から変わらず、青いものばかり身につける紬に、きっと想は気づいているし、嬉しかっただろうな。
せっかく覚えた手話で伝えることが出来たのが、とっくに知ってることだけだったのも、それを全部 「知ってる」と答えるのも2人とも苦しくて嬉しかっただろうな。
もはや勝手に気持ちを予想して、多くを受け取りすぎてしまうほどに、ひとつの感情も取りこぼしたくないと思わせてくれるドラマだと思う。
心の中と頭の中と胸の中、全部全部、想と紬と湊斗の言葉でいっぱいで溢れて止まらない。
2話も丁寧に丁寧に言葉と想いが綴られていた。
手話でも文字でも、それを発する人の温度を帯びていて、暖かくて切ない。見終わった途端にその温度がすぐに恋しくなる。
こんなドラマは初めてだってあと何回思わされるんだろう。
この3ヶ月、金曜日は寝不足で。あたしはそれを誓ったし、そうだったことを一生忘れない。関わって下さっている全てのひとに感謝の気持ちでいっぱいでたまらない。