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『サマーフィルムにのって』松本壮史~映画作りの青春学園モノ~
画像(C)2021「サマーフィルムにのって」製作委員会
このところちょこちょこテレビドラマで見かけるようになった伊藤万理華、すっかりメジャー女優になった河合優実が出演している学園モノ映画作りの話なので見た。伊藤万理華は元「乃木坂46」だそうだが、ちょっと個性的なしゃべり方をする。河合優実もクセがある女優だが、今後も伸びていって欲しい存在だ。学園モノのクラブ活動系の映画の佳作は多い。『バタアシ金魚』(1990・松岡錠司)、『ウォーターボーイズ』(2001・矢口史靖)、『スウィングガールズ』(2004・矢口史靖)、『リンダリンダリンダ』(2005・山下敦弘)、『チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(2017・河合勇人)、『桐島、部活やめるってよ』(2012・吉田大八)、『幕が上がる』(2015・本広克之行)などがすぐ思いつくし、映画作りの舞台裏もまたこれまで数々の映画が描いてきた。
さて本作は、時代劇オタクの女子高生ハダシ(伊藤万理華)が学園祭の映画部の企画に選ばれなかったにもかかわらず、映画部とは別に自分たちで時代劇映画を作っちゃおうという話に、SF的要素が盛り込まれた欲張りな映画である。主演男優がなかなか見つからなくて、今ひとつ乗り気でなかったハダシが、武士役にぴったりの理想的な男子、凛太郎(金子大地)を見つける。それが未来からやって来た少年という設定なのだが、なんだか『時をかける少女』的なSF設定と時代劇への愛がフル回転する学園モノである。カメラはスマホで撮影、ハダシの幼馴染みで天文部のビート板(河合優実)、殺陣を指導する剣道部のブルーハワイ(祷キララ)の女子高生3人組は、音オタクの学生を音声チームにスカウトし、改造バイクで照明いっぱいつけているヤンキーを照明スタッフに加え、敵役の武士顔が似合う同級生の板橋駿谷も加わる。『座頭市』の勝新太郎に憧れるハダシの時代劇愛も笑えるが、廃バスの秘密基地で時代劇を観賞し、映画部の恋愛モノとの張り合いも展開される。もっと弾けてても面白かったと思うが、恋と友情、熱き時代劇愛が炸裂する楽しい映画である。伊藤万理華の今後の可能性を感じる。
2020年製作/97分/G/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
監督:松本壮史
脚本:三浦直之、松本壮史
製作:今野義雄、小西啓介、多湖慎一、川瀬賢二、篠田学
プロデューサー:静陽子、若林雄介
撮影:岩永洋、山崎裕典
照明:谷本幸治
録音:久連石由文
美術:飯森則裕
編集:平井健一
音楽プロデューサー:剣持学人
主題歌:Cody・Lee(李)
キャスト:伊藤万理華、金子大地、河合優実、祷キララ、小日向星一、池田永吉、篠田諒、甲田まひる、ゆうたろう、篠原悠伸、板橋駿谷
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