Beautiful Scammer-泡の恋-【即興詩】
薄い唇 爽やかな笑み 切れ長の瞳
仕立ての良いスーツ
センスの良いネクタイ
高級感ある足もと
高尚ささえある襟足
出会ったばかりのあの人は
予約が中々取れない店とか
中々手に入らない腕時計とか
色んないい想いをさせてくれるの
一昨日もワイングラスを傾け
素敵なお店でお会いしたの
Everything seemed to be sparking.私に副業まで紹介してくれたんだ
これからは不労所得なんだって
ローンでマンション購入しちゃった
信頼する結婚予定のイケメン彼氏
すぐ元取れて不労所得ゲットって
ルームでテンション高揚しちゃった
信頼する結婚予定の素敵な彼氏
Everything seemed to be sparkling.でもね おかしいの
LINEしても電話しても繋がらない
だからね 怖いの
入院したり怪我してたら辛くなる
そう考えてたらね
部屋のベルがなったの
やっぱり忙しかったのかななんて
部屋のドアをあけたの
うっかり彼氏かなと思ってたら
金融業者だった
全額一斉返済？なんのこと？
すっかりあなたの盛大なパーティーに
浮かれてた私は
うっかりあなたの正確なパーソナリティ
迂闊にも私は
見てなかった
全ての美しい思い出は
全ての苦しい想いに
変わり泣いた
契約書にローンって文字もなく
誓約に ゴールって文字もない
あなたは私の王子じゃなかったの？
あなたは私の負う借金になったの
Sometimes
beautiful memories turn into bitter tears.そっくりな人を見掛けた
その時に彼は目伏せた
全ての美しい思い出は
全ての苦しい想いに
変わり泣いた
そして私は思ったんだ
美しさは
本来見えるのでなく
本来想いだけなんだ
綺麗な腕時計と思い出は全て捨てた
綺麗なお店も唇も瞳も頭から失せた
Sometimes
beautiful memories turn into bitter tears.高すぎる授業料 高すぎた理想
深い海に沈んで思った
理想は私を大切にしてくれる人だったのね
Goodbye beautiful scammer.高すぎる空模様 通り過ぎた恋模様
深い海の底で思った
理想を私は大切にしていない人だったのね
Goodbye beautiful scammer.全て幻だった恋はあまりに刺激的すぎた
いつか2人で飲んだシャンパン
あの泡のように弾けた瞬間の恋は
気化したアルコールのように
綺麗に消えてった嘘みたいに
魔法はいとも簡単に解けた
(結局)
彼の部屋すら知らなかった
都合よくシンデレラになった罰ね
都合よい恋愛はもうやめないとね
©2018 Yuyu#6
(テーマ参照)