初めての旅行で 後編
ぐったりとなったわたし
吊り降ろされ
床にグッタリし
わたしは
そのままで一夜を明かした
痛さに耐えながら
ご主人様にお伺いをしなかったことを悔やんだ
と同時に
ご主人様に捨てられてしまう
のではないかという恐怖が襲った
わたしは
後悔と恐怖を彷徨いながら
いつしか
眠っていた
朝
目が覚めると
両の手首の縄は解かれ
僅かに
縄の痕
毛布がかけられ
頭には枕が敷かれていた
まだ
気持ちも心も霧の中にいるような感覚
ゆっくりと
痛みを確かめるように
上半身だけを起こす
窓の向こう側に
湯船に浸かっておられるご主人様の姿
わたしは
よろめくからだで
ご主人様のお傍へ
最初に
朝のご挨拶をしてから
三つ指をついて
昨日の失態を改めて詫びる
ご主人様は
着ているものを脱いで
湯船の中に来るようにと
ご命令され
わたしを包むように
抱きしめてくださいました
ご主人様の前で
2度めの涙が溢れる
28才