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アポロの俳句(冬一句・懐炉)

毳立つて捨て頃となる懐炉かな

(けばだってすてごろとなるかいろかな)

どうも、アポロです。
無粋ですが詠者解説を少々。

この懐炉(かいろ)俳句は、一物仕立て(いちぶつじたて)です。

咲き満ちてこぼるゝ花もなかりけり   高濱虚子

 このように、季語の成分だけで一句が成り立っている句を一物仕立てと呼びます。


今回は何か別のテーマや素材と組み合わせるのではなく、懐炉そのものを詠みました。
ちょっとだけ難しいやり方です。
えへん。<( ¯﹀¯ )>

しかしながら
「これくらいならオイラにも詠めそう.......」と思えるような仕上がりになってはおりませぬか。
書いている内容は何でもないことです。

使い捨て懐炉を「使い捨て」という言葉抜きに「こーゆーもんだよなぁ」とただつぶやいているんであります。
雑品をわざわざ文学にしたい、道楽です。

懐炉は温かいもの。
これが冷めゆくのはいつ頃か。
人によってちがいましょうが、アポロは夕方を思い浮かべました。

袋から出したばかりのものより、時間の経ったものの方が手になじみます。
使い捨て懐炉は手になじみ、やがて毳立つ頃が冷めかけの捨て頃です。

冷めたから毳立った、のではなく、毳立ったから冷めた。このアポロらしいと思われる変な感覚(えへん)を、一度書いてみたかったのです。


おお、温かかった懐炉よ.......!
一日世話になったのう。
忍びないがそろそろ捨てるぞえ。
お前さんは、使い捨てられる定めの物ゆえ。

「毳立つて」旧仮名遣いでは(っ)と小さく書きません。
大きな(つ)と書きます。

旧仮名遣いにしたのは、最後に詠嘆「かな」を置いたからです。
現代的にいえば「〜だなあ」という感じ。

古典的な詠嘆を含む句には、その他の部分も古典的表現、旧仮名遣いがよくなじむと思います。
(ただし現代俳句の巨匠、金子兜太さんは、一句の中で新仮名遣い旧仮名遣いをチャンポンにしても良い、と唱えていました。これも面白い考え方です)

では解説はこの辺で、おしまいにします。

俳句愛好の同志、紫乃さんを中心に企画「俳句幼稚園」が盛り上がっております。

アポロが「懐炉の句で挑戦してみてよ」と書いたら、なごみドラちゃんがネタにしてくれました。
コメント欄のみんなの俳句を、とても楽しく鑑賞させてもらっています。

勝ち負けはさておき、楽しく競い合うことは上手の近道ですねえ。
アポロの俳句より素敵な句、こちらでお待ちしてます。


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俳句入門にぴったりの企画です。


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