こんな営業は嫌われる。「借金の取立て」みたいな営業していませんか?
「40’s Biz talk」は法人営業やBtoBマーケティングが専門の40代男性2人、杉本浩一と柳澤大介がお届けするポッドキャスト番組。
音声番組の内容を読みやすく要約してnoteでお届けしています。第53回は「借金の取立てみたいな営業してませんか?」です。
それでは、本編の内容をお届けします。
友人が経験した、怖い営業の話
柳澤:今回は「借金の取り立てみたいな営業してませんか?」というテーマです。
杉本:これは私の友達がXでコメントしてくれたもので。以前もこちらでお話をさせていただいた某プンハウス。私が非常に大好きな動画、「コッカラッス」の動画のあの会社の営業マンの話。
Xで見たんですけど、社長が「私たちはもう体育会系じゃなくて体育会ですから。体育会の営業なんで」と。こういう徹底力大事だなってなったんですけど。
そこの営業を受けた私の友達が、まるで借金の取り立てみたいで怖かったって言ってて。
この会社の営業、道端でプラカード立ててチラシ配ってるじゃないですか。僕がちょうど家を探してる時に、某プンハウスの方にチラシもらって、見学に行ったんですよ。この近くだし、見てみようかって軽い気持ちで。
そうしたら大変!毎日じゃないですけど、週4か5くらいで電話がきて。「いかがですか? 今日は家買う気になりましたか?」みたいな。ならねえよ、そんな簡単に買う気にならないよと。
前に話題に出た「某ドマホールディングス」の営業も、いろんな会社の名前を名乗っては「社長いらっしゃいますか?」って電話をかけてくる。あれとよく似てるんですよ。
僕が体験した嫌な営業の1つが確かにこの会社だったんです。端から眺めてる分にはコッカラッスとかいいんだけど、実際に営業された体験は非常に良くなかったっていうのが正直なところ。
これは営業マンや地域にもよると思うんですよ。たぶん全員がこうじゃないと僕は思ってるし、信じてるんですけど。こういうやり方ってもしかしたら上司がやらせてるんじゃないかと思って。あるいは、会社としてやらせてるんじゃないかと思って心配になった。
今回教えてくれた友達は女性なんですけど、特に女性はすごい怖いと思うんです。何回も電話で営業をかけてくるとか。だって電話ってある意味、個人情報だったりするし、下手すりゃストーカーなんじゃないかって思うこともあるじゃないですか。
そんな体験をしたら、この会社からは二度と買おうと思わないですよね。なので、本当にこういうことをやっちゃいけないし、やらせてもダメっていうことを強く言いたい。
北風的なアプローチは逆効果に
柳澤:僕も過去にいた営業会社で、月末になると「何回電話したんだ?」とか、「繋がるまでかけろ」とか、「押し込め」とか上司に言われたことありますよ。
杉本:でしょ?僕もなくはないですよ。電話番号は情報として持ってるから「これかけたのか?」っていうふうに言われてきたし、いまだに言ってる人いると思うんですよ。
柳澤:こういう指導するマネージャー、めっちゃいると思います。
杉本:これ良くないと思うんです。ぶっちゃけ、それを言ってる人も自分が電話を受けると嫌がると思うんですよ。だから気をつけた方がいいなって思う。
柳澤:厄介なことにね、これをやると結果が出ちゃうんですよ。
杉本:わかる。確かにこれ、商談に繋がるんです。どうすればいいのかな?
柳澤:間違いなく失っているものは多いんです。99人には嫌われるんだけど、1人には受け入れられることがあるから。
杉本:そうなんですよね。私もけっこう電話をかけた時があって、確かに商談につながって、受注に結びついたことがあるだけに、注意が必要だと思うんです。実際、多くの営業はそういう経験をしてきてるし。さらに言うと、優しい人もいるんですよね。
相手が営業経験者だと優しいケースが多い。同じような苦労をしてきたから、つい話を聞いちゃったり。だからこういうモンスター営業を育てているのは、実は周りの営業だったり、優しいお客さんだったりするんですよ。
柳澤:これは北風と太陽の童話でいうところの、北風的なアプローチなんです。コートを脱がしたいから、思いっきり冷たい風を吹いてコートを吹き飛ばそうとすると、かえってコートが飛ばなくなる。
杉本:心のコートをどんどんギューッと着込んで、さらにさらに被せてね。おそらくこの私の友達はもうコート10枚ぐらい着てますよ(笑)。
毎月くる「◯研ゼミ」の営業電話
柳澤:僕にも毎月電話かかってくるところがあるんです。「◯研ゼミ」なんですけど。
杉本:◯研ゼミ、そんな電話かかってくるの?
柳澤:めっちゃ電話かかってきますよ。
杉本:へー。うちはまだだから、子供がそこまで大きくないからなのかな。
柳澤:それもあると思うし、うちは昔やってたんです。
杉本:あ、そうなんですね。なるほどなるほど。
柳澤:もう5年以上前に解約してるけど毎月電話かかってくる。
杉本:◯研ゼミは各学年ごとに教材があるから、それが尽きない限りは絶対かかってきますよね。わかるわ、なるほど。
柳澤:でも、メールは絶対してこないんですよ。電話なんですよ。
杉本:そうなんですか?
柳澤:絶対電話なんです。
杉本:え、でもメルマガとかはあるんでしょ?
柳澤:いや、メルマガ届いてないですよ。郵送のDMは来ますけどね。
杉本:そうか、DMだ。でも◯研ゼミってマーケティング界隈では超有名な会社ですよね。上手いマーケティングだったり、効果を出してるっていうことで金字塔を打ち立てた会社じゃないですか。
そんな会社が電話営業をやってるということは結果が出てるんですよね、たぶん。
柳澤:なのかな? 「今月の教材で今までの学習の振り返りができますよ」「1ヶ月契約すると過去のアーカイブもついてくるんでどうでしょうか」みたいな。
僕が毎回断る理由は一緒なんです。「うちの子供は教材で自分で勉強するっていうよりは、塾に行かないと勉強しないので◯研ゼミは合わないんですよ」っていうのを、もう30回ぐらい言っても、またかかってくる…
なので僕はもう出ない。出た瞬間わかるんですよ、冒頭のトークで。その瞬間に切りますね。
杉本:なるほど。柳澤さん的には電話がかかってくるたびにどんどんコートを着ていってるわけでしょ。
柳澤:着ていってますね。北極に行けるくらい(笑)。
杉本:厚手のコートを何枚も着込んで。よほどのことじゃないとコートも脱がないし、他の人にもコートを着込むように言うんじゃないですか。いやーこれよくないですよね。
柳澤:たぶん電話してきてるのが外注してるコールセンターの人だと思うんですよね。だから、その断られた履歴とか共有されてないんじゃないかな。
杉本:え、そうなのかな。普通は共有しますよね。
柳澤:普通はするんだけど、コールセンターの会社が違うからCRMの履歴まで共有されていない気がする。
杉本:それ、もしかしたらあえて共有してないのかも。オプトアウトすることが費用対効果というか、稼働対効果として実は合わないからかな。
柳澤:そうかも。僕は以前ahamoっていう通信キャリアを使ってたんですけど、留守電が使えなかったんです。あまりにも営業電話が多いから、留守電が使えるキャリアに変えましたもん。
あと、春になると駅前で「名刺交換させてください」って営業がよく出てくるじゃないですか。
杉本:ああ出てきますね。春に合わせて、竹の子、つくし、あと自称「新人の不動産営業」みたいなのが出てくる。
柳澤:もう10年ぐらい前ですけど、名刺のノルマもあるんだろうなと思って軽い気持ちで名刺交換してあげたんですね。それから3年間、不動産投資のいろんな会社から電話かってきました。その名刺がどんどん流出してって。
杉本:私も1回だけあります。大変だろうなと思って名刺を受け取ってしまって。1回会ってご提案を受けたこともあるんですけど、もちろん断りました。
そこは他社からかかってくるってことはなかったですかね。まだ紳士な会社だったのかもしれません。
柳澤:僕は20社ぐらい別の会社からかかってきましたよ。たぶんその会社を辞めた方が顧客リストを持って転職している気がします。
4回かけて繋がらなかったら、諦めよ
杉本:いろんな会社が実は「借金取り立て営業」をけっこうしてる。営業っていうか、マーケティング部署を含めて全社でやってるってことですよね。
そうならないためには、興味あるコンテンツを流していって、それに反応をした結果、電話がかかってきたのがその会社だったら、嫌な感じはしないと思うんです。
例えば営業に役立つコンテンツを出してる会社さんってけっこうあって。今だとフォーム入力しなくてもダウンロードできますよね。役に立つ資料もあるんです。
ここはいつもセミナーを見てるし、ホワイトペーパーをダウンロードさせていただいたこともあるから、仮に電話かかってきたとしても「あ、どうもどうも。いつもお世話になってます」っていう感じになると思うんですよね。そうじゃないと借金取り立てになりますよね。
柳澤:電話するにしても、冒頭の会社は1日10回を5ヶ月でしょ。それはやりすぎ。僕が営業研修で伝えているのは、4回かけて繋がらなかったら、一旦追うのは辞めましょうということ。
本当に不在で繋がらないのと、居留守されている境界線が3回から4回だと思っていて。だいたい1回かけた時に相手に繋がる確率が30%なんですよ。会議中や外出とかがあるから。
で、4回かけると理論上積み上がって120%なので、100%を超えるんですよね。時間帯を変えても繋がらなかったら、居留守の可能性がある。だから、1日10回以上を5ヶ月くらい毎日電話をするっていうのは常軌を逸してる。
杉本:そうなんだよな。何もないのに電話をするのに私は抵抗がある。でも、ビジネスとして成り立たせるためには営業電話をかけなければいけないものなんですかね。
柳澤:僕は起業してから営業電話をしたことは1回もないですよ。営業する時はメールかDMですね。
杉本:僕もそれがいいと思ってて。反応がある人は返ってくるって思うんですよ。
柳澤:電話は会議中だと出れないことが多いので。メールとかでもらった方が非同期でコミュニケーションできるので連絡を取りやすいんですよ。そう言っても電話してきますからね。
杉本:まあ、そうですよね…
柳澤:気持ちはわかるけど。
杉本:商談終了時に電話するタイミングを決めておくのがいいと思います。「次回このぐらいのタイミングでお電話させていただいていいですか?」とか。
仮に決めてなかったとしたら、「いついつぐらいに状況を聞かせてもらっていいですか」と。それで、来なかったら脈なしのことがわかるし。だいたい脈がある場合はちゃんと返してくれますよね。
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