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久しぶりに、痛くなるほど、お腹がいっぱいになった。

 かなり久しぶりに、外食をする機会があった。

 2階のお座敷のような場所に机とイスが並べられていて、今は、テーブルの上にもアクリル板がある。そんな光景は不思議だけど、でも、少し慣れてきた。

 いろいろな食べ物が出てくる。刺身から始まり、天ぷら、寿司、その他にも美味しいものが次々と並ぶ。他の人が食べないものが、こちらに回ってきて、もったいないし、なんとなく申し訳ない気持ちもあって、食べ続ける。

 食事会は、とても楽しい時間だった。

 それもあって、食べ続けたのだけど、途中から明らかに満腹になってきた。

 だけど、まだ食べられそうな気がする。そんなふうに思って、普通に食べ続けていたら、ある時点から、ちょっと苦しくなった。その頃に、最後のお茶漬けが出てきて、残すのも悪いような気がするし、多少は食べすぎても大丈夫ではないか、と思って、食べた。

 この時の自分は、どのくらいの時の自分のイメージだったのだろう。


 もしかしたら、若い時は走れたから、と何十年も前のイメージで走って、転んで、場合によっては骨を折るくらいのケガをする人と、同じような状態だったのかもしれない。

痛み

 食事は2時間くらいで終わり、その後、帰宅の時に歩く。

 お腹が少し痛い。
 それも、やや左側の、たぶん「胃」のある部分がふくらんで、それも、普段の容量以上に大きくなってしまい、それは、歩くと、痛いくらいになっていた。

 こんなふうになると思わなかったし、辛かったけれど、そして、お腹が痛くなるくらい食べられるのは恵まれたことでもあるのは分かっているけれど、ただ自分が普段食べる量よりもたくさん食べるだけで、苦しさを生むなんて、不思議だけど、それでも、痛みが続くと、不安だった。

 ここのところ、体重を落とそうとして、食事に気をつけて、2キロくらい落ちたところだったのだけど、また戻ってしまうという気持ちもあった。

食休み

 帰宅して、布団の上に横になった。

 ベルトを外すと、膨らみが少し下がった。
 動くのが、ちょっと怖かったし、このままずっとお腹もふくらんだままではないか、といった気持ちになった。

 今は、消化に全力を向けるようなことをした方がいい。そんなことを思って、頭も使うと、そこに血液がいくから、本も読まずに、ただ横になっていて、それで眠ってしまうと、消化が遅れるのではないかと思って、目は開けていた。

 30分くらい経って、少し楽になった。

 やっと動けるようになったけれど、まだ少し気持ちが悪い。
 こんなことがまだあるんだ、と思った。

 10年くらい前に、こんなことがあったけれど、それから無理はしてこなかったのに。

満腹感

 満腹感が続いた。
 呼吸も浅めだと思う。

 夜中になり、どうしてだか、ずっとノドが乾いている。ペットボトルに入った水を、飲み続けても、なんだか足りない。

 12時を過ぎても、まだ、そんな感じになっていて、寝る前に体重を測ったら、一晩前よりも、1・2キロ増えていた。

 今日、食べた料理は、そのくらいの重さだったのかと思った。

翌日

 朝起きて、お腹のふくらみも減り、ほぼ元に戻っていた。
 
 あれから、随分と時間は経っているけれど、胃腸が働いて、消化してくれたんだ、と思った。

 もう若くもなく、こうして少し多く食べると、調子が悪くなってしまい、昨日は、戻らないのではないかといったことも思ったけれど、ちゃんと内臓は動いている。

 そして、体重として、どのくらい残ったのか、は分からないのだけど、食べたものは、自分の能力の限界を超えていたはずなのに、今は痛みもなく、通常の状態に戻っていて、それは、自分の体だけど、改めて不思議だったし、まだ多少の無理をしても、働いてくれることはありがたかった。


 ただ、どこかのタイミングで、こうしたことで決定的に体調を崩す時期も来るのだろうと思うと、やっぱり、ちょっと悲しくなる。


 さらに、翌日の夜。体重は、1キロ減っていた。だから、お腹が痛くなるほど食べた料理は、200グラム、体に残っていることになる。

 そんなに動いてもいないのに、1キロは、どうやってなくなったのだろう。




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おちまこと
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