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値段の違いを、本当に肌で感じた。

 今回の冬は、乾燥が強いせいか、自分が何か知らないうちに妙なものを触ってしまったせいか、それとも年齢のせいか、やたらと手が荒れた。

 それで皮膚科に行った。

 何か触りましたか?いつもと違いますか?そんな質問を皮膚科の医師にされたのだけど、心当たりがなくて、何も変わらないのに、荒れ方がひどいので、病院に来たのだった。

 2回行っても、なんとか現状維持のようで、それほど良くなったように思えなかったので、3回目に皮膚科に行ったら、薬を変えましょう、と言われ、さらにべとつくというか、粘度の高いものになった。

 そのときに勧められたのが、1日に2回、特に夜の時はべったりするので、綿の手袋をして眠ることだった。


白い手袋

 この冬は手荒れがひどめで、アカギレがいつもよりも多くできるので、痛みがあって、アルコール除菌や、手を洗うのが辛くなっていた。だから、外出するときも、手袋をする機会が多くなった。

 だけど、白の綿の手袋は縁がなかった。

 すぐに思い浮かぶのは、選挙のときに候補者がつけているものだった。さらには、まれに普段の生活でも白い手袋をしている人にあったことはあるけれど、他は何も変わったところがなくても、その手袋をしているだけで、なんだか不思議な人に見えた。

 それでも皮膚科医のすすめには従おうと思って、妻に聞いたら、家にあるけど、と言われた。時々、びっくりするくらいなんでもあるような気がするけれど、いろいろなものをつくるのが好きなせいもあって、私からみたら、夢のようなものが出てきたりする。

 小さめのビニール袋とか、さまざまな質感の紙とか、いろいろな用途で選ぶのが違ってくるテープとか。

 それで、白の綿の手袋を、お願いしたら、どこかから出してくれた。

 なんだかすごいと思う。

なくなる手袋

 皮膚科医は、これまで2回の時に処方された塗り薬が2種類だったのだけど、その二つを調合したような薬を出してくれていたようだった。

 確かに、これまでと比べると、粘度が高く、だから、ベタつくような感じもするけれど、その分、手の皮膚全体を守ってくれるような、水分を保持してくれるような心強さは確かに感じた。

 でも確かにベタベタしていると、特に電化製品を触るのは、ちょっと怖くもなるし、そのままだと、あちこちに塗り薬がくっついてしまいそうだから、手袋をするのは正解だとも思った。

 百均で買ったから、と言われて、渡されたけれど、自分だけだったら、こうしたものまで家に備えているのは無理なので、妻にありがたいと思いながらも、手袋をして、眠った。

 初めてのことだったけれど、何かで話だけを知っている「手モデル」の人が、確かずっと手袋をしていて、夏の暑いときもそれは変わらないので大変といったことを思い出し、全く関係がないのに、手のモデルの気持ちが少しわかったような気になっていた。

 そう思うこと自体は、ちょっと恥ずかしい感覚かもしれない。

 眠って、夜中に頻尿のために何度も起きて、そのこと自体をなんとかしたいと思いながらも、やたらとコーヒーを飲んだり、飲料を飲む量がずっと人よりも多いから、などとぼんやりと原因を考えながらも治らないままなのだけど、手袋をして、眠って、起きるとき、半分以上めくれてはずれかかっていたり、もしくは片方が完全にはずれてなくなった。

 と思ったら、自分の背中の下にあったりして、眠っている時に、それほど寝相が悪くないような気がしていたのだけど、これだけ、何度も手からはずれてしまうことがあると、思った以上に眠っていても動いているというか、少なくとも両手を動かしていることを改めて知った。

 ただ、そんなことが続いて、そのうちに手袋の片方がどこかへ行ってしまった。

 外出したわけではないのだから、必ず家の中にあるはずで、布団のあちこちや、ポケットや、何かのすきまや、すみっこを探したのだけど、見つからなかった。

違いのわかる手袋

 それで、諦めてもう1セット買おうと思った。

 ただ、以前は近所に2軒あった百均がなくなってしまって、今は自転車に乗って隣町に行かないと、見当たらなくなってしまった。

 だから、ちょっとおっくうになったけれど、家の中で、それも手のために寝る前だけに使うものだから、高い金額を出す気もないので、迷っても仕方がないのに、なんだか一歩踏み出せないような感じだった。

 でも、どこで売っているのか知らなかったので、妻に聞いたら、薬局では、と言われて、それまで全く売っていることを意識していなかったので、本当にあるのだろうか、と思いながら、買い物の途中に寄ったら、綿の白い手袋があって、それも本当に手の保護用、といった売られ方をしていて、本当に自分の使い方と一致していて、そのことに、それまで単に知らないだけだったのだけど、少し感心するような思いになる。

 ただ、300円くらいの金額に気持ちが引けてしまったのは、ずっと貧乏なせいもあるし、百均で買えるし、という思いもあったのだけど、とりあえずは今日の夜に使うし、もし、家にあるのが見つかれば、まだ手のあれは治るまでに時間がかかりそうだから、洗い替えに手袋が2セットあれば、といったことを数秒のうちに考えて、再び、100円で買えるのに、というケチな思いも出てきたのだけど、やっぱり買うことにした。

 その夜に、手に薬をたっぷり塗ってから、新しく買った手袋をした。

 その感触は、それまでにしていた手袋と比べて、明らかに柔らかく、滑らかで、気持ちが良かった。

 確かに、100円と300円では3倍違うという言い方もできるし、高ければ品質がいいのは当たり前かもしれないけれど、こんなに露骨に違うとは思わなかった。

 完全に気のせいだけど、この方が早く治ると思ったし、手を守っている気持ちは強くなった。

片方ずつの手袋

 それでも寝ている時には何度か手からはずれてしまい、布団のあちこちを探すということを繰り返してから、片方をなくしてしまった。

 最初からあった百均の手袋と、新しく買った約300円の手袋の片方ずつを使って、なんとかしのいでいるのだけど、何日か経つと、やっぱり洗いたくなってくるので、思い切って、また薬局で白い綿の手袋を買おうかとも思っている。

 それは、やっぱり本当に、肌で違いが、これだけあったせいだったし、それは自分にとってはぜいたくでもあったけれど、それだけ気持ちいいのだった。

 身近なもので、値段の違いは確かにあるのを知ることができた。



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おちまこと
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