「次の政権」が、きちんとした政治をしてくれるのであれば、最初に宣言して欲しいこと。
首相が退陣を決めて、次の総裁選が行われようとしている。
社会には、「人事」が好きな人が多いことは、また改めて考えたいのだけど、そう感じるのは、「政治」よりも「政局」の方が、マスメディアは、やっぱり生き生きと伝えているような気がするからで、どちらにしても、「首相」は変わる。
できたら、政党も変わらないと、本当に変化は難しいと思うのだけど、ずっと「支持政党なし」だけど、ほぼ必ず選挙に行って、投票してきた人間として、「次の政権」への要望を考えてみた。
こうした行為への無力感はあるものの、それでも形にした方がいいのかもしれないと思い、書くことにしました。
膨大な課題
例えばコロナ対策。今、現在、命に関わることなので、きちんとしてもらいたいのは当然で、病床を本当に増やすことも含めて、対策が足りないことで亡くなってしまう人を、一人でも減らしてほしい。そういう努力や工夫を続けて欲しい。
経済の対策。文化も含めて、コロナ後にも繋げていくためのこと。社会を壊さないために、感染を防ぎながら、どう動かしていくのか。
さらに、この約9年で権力者の犯罪があったのであれば、きちんと償ってもらう事。それに、法律が適切でなければ廃止も検討すること。公文書の保存と情報公開という国の基本を守り直すこと。政治に関する曖昧な言葉遣いを一切止めること。
以前は、取り戻す、といったキャッチフレーズを聞いた気もするのだけど、もう、今、残念だけど、もう国がボロボロになってしまっているので、一度、更地にして、それからそこに新しく「立て直す」といった行為が必要になるのは間違いない。
(こうした書籍↓を読むだけで、この2年くらいの出来事でも、随分と忘れていることに気づきます)。
これから、立て直すとしたら、めまいがするほどの膨大な作業で、とんでもなく手間ひまがかかるのも確実だと思う。
そして、そうした個々の具体的な課題に関しては、もっと詳しい人もいるから、そんなに深くも語れないのだけど、もし、「次の政権」が、少なくとも、国民のために少しでもプラスになるような国にしよう、といった志があり、それを実現する力があるのならば、まず説明して、宣言して欲しいことがある。
時間がかかる宣言
確か、橋本治がどこかで書いていたのだけど、以前、2009年に民主党に政権交代をしたときに、最初にやるべきは、これまでの歪みやおかしさを本気で正していくであれば、時間がかかる。その時間がかかることをきちんと説明すべきだ、ということだった。
この言葉自体は、どの著書で読んだかも覚えていないし、少し違っている可能性も高く、申し訳ないのですが、それでも、これは今でも、かなり重要なことだと思う。
だから、もし、次の政権(できたら、自民党以外でないと、いろいろなことを変えていけない気もするが)が、本当に真っ当な政治を目指すのであれば、やはり、そのときに、「時間がかかる宣言」は必要なだと思う。
これは、この橋本治の書いた発想を元として、とても未熟な思考の結果かもしれないが、こんな「言葉」を聞きたい、と個人的には考えている。
「次の政権」の宣言(個人的な願望)
『コロナ禍により、まだ不安の多い毎日が続いていると思います。
この1年以上の、政府によるコロナ対策は、とても適切でないことが多いようです。その間違った点は正し、これからは、少しでも犠牲者が減るように、また感染しても適切な治療が受けられるように、また不安が少しでも減少するように、専門家のご意見を聞きながら、政治家が決断し、責任を取るという「正常な政治」を行いたいと考えています。
この約9年の政治で、数えきれない「異常」なことが行われてきました。そのことに関しましては、コロナ対策と並行しつつ、今後の政治を真っ当にするべく、一つ一つ再検討し、本当に国民の皆様のためになる政治を行うように全力で進めていくことを誓います。
同時に、まず最初に、国民の皆様にお願いがあります。
この9年の政治によって、国全体が、家に例えれば、土台も含めて、すべての部分が、おかしくなっています。部分的に、何かを直す、というだけでは、とても間に合わない状況です。おそらく、すべてを壊し、おかしくなっている原因も全て取り除き、更地にして、新しく家を建て直すようなことが必要になってくると思います。
それには、かなりの時間がかかります。
新しく、真っ当にしていく過程では、とても「よくなっていく」ように思えないような状況も続くかと思います。可能な限り、そのような期間は短くしていく努力はしていきますが、やはり、政権が変わってからしばらくの状況は、これまでの「政権」の行ったことの、おかしさを直していくことが続くはずです。
今、すぐに、その我慢していただく時間を、具体的に申し上げることは、できません。
ただ、その過程の状況も含めて、可能な限り、皆様に見えるように透明化し、説明もしていきます。
ですので、いい意味での「変化」をすぐに起こすのは難しい状況です。おそらく、9年の歪みは、年単位をかけてでしか、根本的には直せない。そのことを、まずは、ご理解いただき、それも含めての支持を、お願いしたいと思います。
私たちの「政権」の目標は、健全な政治にしていくことです。
そのための時間をください。
1980年代、ペレストロイカを始めたソビエト連邦は、それから6年後に崩壊しています。それと直接、比べることはできませんが、国が大きく変わるのには、そういう単位の時間が必要です。
よろしくお願いいたします』。
政治や社会に、もっと詳しい方には、笑ってしまうような内容だとは自覚しています。
ただ、こういうことは、最低でも、次の「政権」には望んでもいいのでは、と思っています。
(他にも、いろいろと書いています↓。よろしければ、読んでいただければ、うれしいです)。