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「ニベアの冬缶」 2024

 あれだけ汗かきだったし、肌が乾燥することなんて考えられなかったのだけど、気がついたら歳を重ね、特に冬になったら、カサカサになるだけではなく、外から見たらボロボロまでいかなくても、やや乱れるようになった。

 そんなふうに妻から指摘されたこともあり、自分だけならまだしも、人に会うときに、それほど見られていないかもしれないが、それでも最低限の身だしなみは必要だと思うので、少し気をつけるようになった。

 その頃から、「ニベアの青缶」を使うようになった。

 値段も安めで、さらには安売りしてくれている時も少なくなく、さらには、その容器がシンプルで、かっこいいと思っていた。


クリスマスのデザイン

 そのうちに、冬にはクリスマスのデザインが販売されることに気づいた。

 それも、「今年のクリスマス!」といったポップが飾られることもなく、通常のデザインのものと混ざって売られていることが多く、しかも、いつの間にか、そのクリスマスバージョンは売り切れてしまう。

 だから、冬になる頃には、ドラッグストアの前を通るときはいつもよりも注意深くなったりもした。

 それでも、手に入れられないこともあったし、ここ数年の傾向なのか、それよりももっと長い伝統のようなものがあるのか分からないのだけど、クリスマスの感じは薄くなってきたように思った。

 でも、そのデザインは、いつもさりげないけれど、少し華やかで、安直な表現だけど、シンプルでかっこいいと思っていたから、欲しい気持ちは変わらなかった。

 だから、通常バージョンだけではなく、秋から冬にかけても「ニベアの青缶」をやはり買っている。

「ニベアの冬缶」

 今年(2024年)は、気温が高いから秋というにはまだ抵抗がある頃に、ドラッグストアに寄ったときに、ニベアの青缶のところに、通常バージョンとは違う缶があった。

 ちょっとした幸運だと思った。

 去年のバージョンと似ているようで、でも違っていて、シンプルだけど、ちょっと華やかで、それでいて静かな印象があった。

 もうクリスマス缶というのではなく、自分の中では「ニベアの冬缶」という方がふさわしいように思った。

「ニベアの冬缶」は使うたびに、ちょっとだけ気持ちがうれしくなるような気がする。

 これだけ表立って主張もしていない品の良さがあって、しかも、缶のフタの全部の面積から比べると、かなり控えめな広さしか「冬用のデザイン」に使用していないのに、明らかに通常バージョンとは違う気配を強くしている。

 デザインそのものに対して、それほどの情報も知識も教養もないのだけど、この「ニベアの冬缶」は、やっぱりすごいと思う。



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おちまこと
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