ドーナツのイベントは、楽しかったけど、勝手に悪い予感も抱いていた。
ドーナツには穴が空いている。
その理由には、諸説あるそうだけど、どうやら、実用的なことが関係あるらしい。
ドーナツに穴が空いている理由
https://camelia.co.jp/magazine/book/13
(『カメリア』ホームページ)
このハンソン・グレゴリーは、母親のドーナツが生焼けだったために、穴を開けて、火の通りをよくした、ということらしい。それは、今のドーナツの原型になったのだけど、でも、そのときの母親の気持ちについては、ちょっと考えてしまう。自分のつくったドーナツに穴をあけられたら、それが息子のやったこととはいえ、どう思ったのだろう。
さらには、ドーナツは、穴が空いているのが「条件」ではないらしい。
だけど、穴が空いていないドーナツは、今では、ドーナツらしくないように思えてしまうようになっている。
だから、最初の理由がいろいろあったとしても、ドーナツに穴が空いていることで、これだけ多くの人が好きになっているのだと思う。
穴には何も入っていない。だけど、そこからは景色が見える。
だから、記憶とか、思い出とか、ロマンチックすぎるけれど希望のようなものまで、どんなものでも、その穴に入っているかもしれない。
ドーナツの穴こそが、他のスイーツとの違いであり、魅力になっているのだと思う。
セブンイレブン 最初のドーナツ
ドーナツの専門店は、主に、というのは、失礼かもしれないが、一般の消費者感覚だと、二つある。
ダンキンドーナツと、ミスタードーナツ。
時々、行きたくなるけれど、最近になって、妻によると、ミスドは以前よりも美味しくなくなった、みたいな話をするようになった。私よりも味にはしっかりした感覚があって、だから、それを信じて、以前よりも行きたい気持ちは減っていた。
だからなのか、コンビニでも、ドーナツを積極的に売るようになった。
セブンイレブンが、ドーナツの販売を積極的に始めたのは、もう記憶にないくらいになったと思っていたけれど、2014年のことだった。
https://www.7andi.com/library/dbps_data/_material_/_files/000/000/001/558/20141127sevencafedonut.pdf
(『セブンイレブン』ニュースリリース 「セブンカフェドーナツ」新発売)
このときのプレスリリースをみると、それ以前にコーヒーを売り出したことが好評で、それはその後も定着した実績のためか、もちろん、こうした文書はすべてそうなのかもしれないけれど、自信にあふれているように感じる。
だけど、そのときの印象は、スタッフの人の業務が増えて大変そうだというものだった。そうすると、忙しそうなときに頼みにくいようになって、そのうちに、このレジ横で販売するシステムはなくなっていた。
かつて、そのようなチャレンジをしたことの痕跡もなくっていくようだったし、だから、まさか、もう一度セブイレブンがドーナツに力を入れるとは思っていなかった。
先行販売
そのことは、テレビのコマーシャルで、情報に強くない私のような人間でも知るようになっていた。
CMなどをみていた人間は、それほど詳細に把握していないと改めて思うのは、というよりも、こうした報道の内容の全てを知らないから、そのイメージは、こんな感じ↓だった。
今度のセブンイレブンのドーナツは、店内で揚げたてのものが食べられるのではないか。
そんな期待が勝手にふくらんでいた。
イベントとしてのドーナツ
たまたまだけど、その日は家にいて、そして、セブンイレブンは家のそばにある。
妻とおやつの時間がある。今日は、セブンイレブンのドーナツの先行販売が始まる日だった。
9月3日。東京都、千葉県、埼玉県で販売が始まる。都内に住んでいるから、そのイベントのようなことに参加できる。
こうした販売戦略にに乗ること自体が初めてだったのかもしれない。
近くのセブンイレブンに行った。
入口の自動ドアに、ドーナツの先行販売を告げるポスターのようなものがあった。店内に入ると、寒い季節には肉まんなどが並んでいるようなケースに、ドーナツがびっしりと詰まっていた。
そこで、ちょっと期待と違っていた。
注文してから、揚げてくれて、揚げたてを食べられると、そんな情報は流れていないのに、自分が思い込んでいたことに気がついた。
そして、もう一つ違っていたのが、そのドーナツの種類だった。
ケースの前で、ドーナツの種類を数えた。3種類。少なすぎると思って、スタッフに確認したけれど、それに間違いはなかった。
ちょっと迷って、妻は2つ食べたいと言っていたから、カスタード2つと、チョコとメープルを1つずつ買った。
白い袋に入れてくれて、それにスティックの砂糖を渡された。
それも4本。食べる前に、これを入れて、振ってから食べてください、と言われる。これ全部入れるんですか?と聞いたら、笑っていたのは、その本数を調節するのは、購入者自身に関することだし、その私の聞き方が必死すぎたのかもしれない。ただ、私は、妻のためにも、できたら、少しでもおいしい状態で食べたいと思っていたせいもある。
そのやりとりも含めて、その時間も、ちょっと楽しかった。
家に持ち帰って、食べた。
妻と相談して、最初は、砂糖のスティック2本だけを入れて、袋を振った。
これは、ハンバーガーのチェーン店のポテトによくある方法だった。
「もっちりしてる。---これは太らないタイプというか、健康志向に感じる。
おいしい。
家で手作りした感じがする」。
妻は、そう言っていたが、私もおいしかったし、ドーナツ特有の楽しさを誘う感じはあるから、その分おいしく感じたのかもしれない。
ただ、食べ終わって「美味しかったし、イベントみたいで楽しかった」という妻に、もう一度食べたいかどうかを聞いたら、そこは微妙なようだった。
すでに、とても小さい地域だけど、セブンのドーナツに暗雲がかかっていたようにも感じる。
ドーナツ専門店
勝手な印象だけど、ドーナツとコンビニは、それほど相性が良くないのかもしれない。
ドーナツを見つけて、あ、ドーナツだ、と思って、その中から食べたいドーナツを選んで、その気持ちも冷めないうちに、すぐに食べる。
もしくは、ドーナツが入っているのがすぐにわかる、ちょっと非日常的な楽しさを暗示させるようなパッケージに入っているものを、家におみやげとして持って帰る。
どちらかでないと、ドーナツのおいしさは十分に引き出せないのではないか。イートインのコンビニでないと、そうした方法は選択しにくい。だから、コンビニとの相性が悪いのではないか。
そんな勝手なことも思っていた。
改めて、ドーナツ専門店のサイトを確認してみる。
その味の評価に対しては変化したりもするのだけど、それでも、たとえばミスタードーナツは、いつもショップで作って販売している。
それと、どうしても比べてしまうし、比べてはいけないのかもしれないけれど、今回のセブンイレブンのドーナツに関する報道の中で「工場で急速冷凍し、店内で揚げる」という表現が気になった。
もちろん、コンビニで全部を手作りするのは、スタッフの負担を考えても不可能だとは思うけれど、ドーナツ専門店が、全部を手作りで行い続けようとしてきたから、今でも、ドーナツがこれだけ食べられている理由の一つかもしれない、などと思うと、セブンイレブンの今回のドーナツの販売も、一人の消費者の勝手な予測としては、明るいものにならなかった。
ただ、もしも、何かのタイミングで、揚げたてのドーナツを、近くのコンビニで食べる機会に恵まれたら、その予測自体も変わるかもしれないほど、あいまいな根拠なのだけど。
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