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カラスとの戦い(もしかしたら一人相撲)。

 4月になってから、ごみ収集の時間が大幅にかわった。

 それまでは、午前10時台、遅くても午前中にはゴミ収集車がきて、素早くゴミを集めて、回収をしてくれていた。

 だから、様々な事情で、早めにネットだけを片付けなくてはいけない状況になっても、それほど、カラスのことを考えずに済んだ。

変更

 それが、新年度になって最初の燃えるゴミの日に、昼を過ぎても、ゴミ収集車がこなかった。近所の人の心配も聞いたので、清掃局に問い合わせたら、4月から回収ルートが変わったと思います。午後2時半までに来なかったら、また連絡ください。という答えが返ってきた。

 これだけ遅い時刻まで、燃えるゴミの回収が来ないと、カラスがきて荒らすのではないか、といったことを思い、外でカラスの太めの鳴き声が聞こえてきたら、外へ出て、周りを見ていた。

 それでも、午後2時30分ギリギリになって、ゴミ回収者は来た。

 ホッとしたけれど、その後、午後2時過ぎに回収車が来るのが、当たり前になった。

カラスとの戦い

 だんだん暖かくなると、もしも、カラスに燃えるゴミを荒らされると、道路にはゴミが散乱し、より、ひどいことになる。

 それは、家の前の道路にゴミ収集所があるので、そんな場面を見たこともあるし、他の収集所でも、そんな状況に遭遇したし、メディアなどで接したこともあるから、カラスの鳴き声が聞こえるたびに、そんなイメージが頭をよぎり、そして、外へ出て、収集所のそばに行き、空を見回す。

 鳴き声は聞こえてきたけれど、姿は見えない。

 それでも、警戒して、しばらくそこに佇んでいて、空をあちこち見て、いないのを確認してから、家に戻る。

 ただ、次の鳴き声の時に外へ出たら、ごみ収集所から、距離にして20メートルくらいしかないイチョウ並木の中に、目立たないようにカラスがいて、近づいたら、滑るように飛んで、道路に少し近づいて、その後に、上に飛んだ。

 今度はもう少し遠い並木にとまる。

 そこに向かって、できるだけ早く走る。

 カラスは、飛び去る。

 やや高い場所を飛んでいって、遠くに行くかと思ったら、そこからUターンの軌道で、また、こちらに戻ってこようとする。

 庭に戻って、小さい石を握って、そのカラスの動きに合わせて、道路を走る。

 今度は、少し遠いところのマンションの屋上のような場所にとまった。

 そこまでダッシュで追いかけて、もちろん道路からだから距離はあるものの、カラスに向けて、手元に握った石を見せて、それから、思い切り投げるように右手を振り抜く動作をする。

 もちろん、石を投げてはいないけれど、気持ちとしては、ぶつけるような気配をのせる。

 そうすると、カラスは飛び立つ。

 比較的、高い空を飛びながら、遠くへ行くような飛び方をした後に、また戻ってきて、どこかにとまる。そこへ、なるべく近くに、少なくともカラスからは見える位置までダッシュをして、また思いきり腕を振る。

 カラスがまた飛ぶ。その繰り返しで、カラスは、ぐるぐると旋回するような軌道を飛んでいる時間が続く。

繰り返す動作

 こちらは、カラスがどこかへとまると、そこへなるべくダッシュをして、近づいて、石を投げつける動作を繰り返す。

 あちこちに振り回されるような動きをしたから、ダッシュの繰り返しで、なんだか、疲れて、それを妻は、心配とあきれるの両方の気持ちで見守っていてくれたのだけど、そんな時間を過ごした後、カラスも諦めない、と感心し始めた頃、少し遠く、近くの学校の体育館のような建物の上のアンテナの上にカラスがとまる。

 ここ10分くらいの間でも、もっとも高い位置だった。

 そこへ向けて、また腕を振る。

 カラスは飛び立って、またゴミの収集所の方へとんできたが、そこを通り過ぎて、さらに遠くへ飛び続け、今度は、鳴き声を出しながら、視界からは消えるほどの遠い場所へ、飛び去った。

 その鳴き声が、仲間のカラスに、このあたりには変な奴がいるから、来ない方がいいかも、といった警戒の伝達だ、とその時は思ったけれど、少し時間が経ってから、自分が、そう思いたいだけだったのかも、と思った。

鳥の視力

 もし、このダッシュと、投げる真似の繰り返しを、近所の幼稚園の子どもたちが散歩している時にしていたら、通報されてもおかしくないほど、怪しくて、さらには、無意味な動きかもしれず、カラスと戦っているというのは、完全に自己満足で、一人相撲かもしれない。

 自分でも、バカなことをしている自覚はある。

 それでも、こんなことをしたのは、鳥の視力が優れている、という話を知ったからだった。

鳥は私たちよりもより多くの色を感知することができて、それらの光はより明るく見えます。

さらに磁界を見ることができ、私のスマートフォンのカメラ機能よりも優れた眼を持っているのです。

 どうやら、鳥の「目の良さ」は人間が考えるものとは質が違って、そうであれば、人間の瞳まで、上空からでも明瞭に見えて、色の変化もわかるとしたら、心を読むとは違ったやり方で、こちらの意図までわかっている可能性がある。

 だから、ダッシュも本気でしたし、投げる真似とはいえ、本気でぶつける気持ちを乗せた。

 ほんの少しでも、バカかもしれないけれど、本気で、怖さがあるかも、と思ってくれれば、と考えて、ダッシュ、ストップ、スロー。ターン、ダッシュ、スローを繰り返した。

 ただ、全くの無駄かもしれない。

カラスの賢さ

 こうした行動をした、もう一つの理由は、カラスは賢いから、だった。

なぜ日本のカラスたちは賢いのか。

考えられる原因は、ゴミだと思います」と樋口さんは語る。

海外の都市域では大型のゴミ箱が一般的だが、日本は道路の狭さもあって、路上に生ゴミの袋を置いて回収を待つ方式が主流。

高度成長期に都市の生ゴミは量と種類を増し、カラスたちはいつ、どこで、どんな食べ物が手に入るかを貪欲に学習していった。

多様性への弾力的な対応が、賢さの発達を促すことになったらしい。

 自分が危惧している、カラスがゴミを荒らすことは、考えたら、大型のゴミ箱があれば、ほぼ不可能だから、日本の特殊事情で、カラスを賢くさせてしまい、そのことによって、私も「カラスとの戦い」をする必要が出てきてしまったのだから、なんだかモヤモヤはする。

 ただ、カラスは、記憶力もよく、人の顔を覚えるとも言われているから、ごみ収集所で、変な奴がいるとなれば、少し警戒してくれるのではないか。襲われる、という話も聞いたことがあるが、今回のように距離をとって威嚇する、くらいだったら、そうした直接的な攻撃をされないのではないか。

 そんなことを思うのは、カラスの賢さを信じているからで、たとえば、直接、石をぶつけたりすれば、復讐されそうだけど、今くらいのことだったら、顔を覚えてくれれば、道路に出るだけで、カラスがゴミを荒らしにくい効果になってくれればいいな、と思っている。

 だから、燃えるゴミの日は、カラスの鳴き声が聞こえたら、道路に出て、同じようにダッシュして、投げる真似をすることをした。

 やっぱり、なかなか遠くへ行ってくれないが、飛び去るまで続けた。

 ゴミの回収が午後2時過ぎだから、そんな「戦い」は、まだ続そうだ。

 疲れるけれど、ダッシュする練習にはなると思う。


 これが効果があるかも分かりませんが、もしも、劇的な変化や出来事があったら、また報告します。



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