結局、「甘いミルクチョコレート」が好きだったんだ、と思ったとき。
ご近所の方から、ゴディバのミルクチョコレートの、それも板チョコをいただいた。
さっそく、口に入れた時に、気のせいかもしれないけれど、カカオの味が新鮮でさわやかに感じ、しかも、甘くて、チョコレートの独特の感じが、やっぱり広がった。
おいしい。
素直に、かなり心の底から思えて、そして、普段もチョコを食べているけれど、結局は、甘いミルクチョコレートが好きなだけだったのかもしれない、という自分の味の好みがわかったように思え、それは、チョコを極めたような人から見たら、幼稚な感覚かもしれなくて、ちょっとした恥ずかしさもあった。
箱入りチョコ
今になってみれば、チョコレートの高級品は、数多く出てきていて、食べていないものも多くなってしまったけれど、一時期は、「ゴティバ」は、やっぱり「偉い」チョコレートだった。
だけど、その箱入りを思い切って、確か買って、食べたときのことは、少し覚えている。その頃は、まだガーナチョコレートも、森永ミルクチョコレートも、今ほど小さくなっていない頃だったけれど、普通においしく食べていたから、高級、本場、ベルギーといった言葉が踊る「ゴディバ」が、どれだけものなのだろうと思っていたのは、その価格にもあった。
例えば、これは単純計算で、一粒400円以上になる。
ガーナや森永は、1枚だいたい100円だから、この一粒だけで、4枚買える。
そう考えると、少なくとも「4倍」おいしいのは難しいとしても、「2倍」以上は美味しいのではないか、というような、ある意味では、元を取ろうという「卑しい」発想で、食べたのだと思う。
確かにおいしかった。
だけど、普段食べているチョコレートの「4倍」はないのは当然だとしても、「2倍」おいしくも感じなかった。
チョコレートの本質
それは期待が高すぎたのだろうし、同時に、チョコレートのおいしさの本質のようなものを、わかっていなかったのだろうとも、思う。
いいカカオと、いい素材と、そこにその年発売の商品であれば、新しさを加えているから、普段から、こうしたチョコレートを食べていないと、そのおいしさのようなものを、感じ取れないのだろうとも、思った。
だから、それは、悲しい部分もあるけれど、文化の違いもあるし、経済的な背景の差もあって、やっぱり違う世界の食べ物(デザート?)なのだろうと思った。
そして、ちょっとした陰謀論のような発想だけど、本当においしいチョコレートは、ヨーロッパのどこかにあって、決して国外には出さないというか、少なくとも極東の国までは届かないように思っている。
《フィクション↓だけど、こうしたマリー・アントワネット的な人たちが、高級チョコレートを日常的に楽しめるのだろうと思う》。
カカオ高濃度
そのうちに、ワインにも含まれているけれど、カカオにもポリフェノールが含有されているので、それが健康にいいとか、場合によっては、記憶力に作用するなどと言われるようになって、高濃度のカカオのチョコレートも、ごく普通に流通するようになった。
この記事自体がすでに5年以上前のもので、カカオの濃度が70%のチョコレートが本格的に販売されてから、20年以上が経っているのが意外だけど、今も、チョコレートの1ジャンルとして、安定して売れている印象がある。
私も、もしかしたらカカオの濃度が高い方がおいしいのかも、などと幻想を抱いて、食べたのだけど、それは苦く感じた。
普段は、砂糖とミルクを入れて飲んでいたコーヒーを、いきなりブラックで飲んだ時の印象は、たぶん、こんな感じだろうと思い出したが、その後は、何かの試験の時に、“記憶力に作用する”という言葉を頼りに、70%以上の「ハイココアチョコレート」を持っていって、お節介にも、近くにいる知り合いが希望すれば配っていたりしたが、それから、意識して買うこともほとんどなくなった。
少し「いいチョコレート」
この記事も5年以上前のものになるのだけど、「Bean to Bar」チョコレート、という言葉を今になって初めて知って、これはブームというよりは、今も「いいチョコレート」は、こうしたスタイルで作られているように思う。
だけど、こうした、それこそ個人的な感覚で言えば、「ゴディバ」よりも高いのは、自分にとっては敷居が高すぎるのだけど、それでも、時々、食べたくなることも少なくない。
ただ、その中で、自分にとって、日常の中で、「少しいいチョコレート」だと改めて思い出したのは、コンビニやスーパーで目にするこのチョコレート↓のことだった。
これはパッケージもかっこいいので、たまーに買うけれど、自分にとっては、ぜいたくでもある「ちょっといいチョコレート」の象徴になっているし、小説家2人が話すトークショーを見に行って、最後にサイン会があったとき、ファンと思われる人が、チョコ好きらしい小説家に、このチョコレートを渡す姿を見て、うらやましいと思ったのは、覚えている。
ミルクチョコレート
今は、自分の収入も低いままで、物価も上がるから、ガーナや森永のチョコレートまで、自分にとっては、ちょっとしたぜいたくになっている気がする。
普段は、袋入りのチョコを食べているが、やっぱり板チョコの味は、同じはずなのに食感の違いのせいか、おいしく感じるのだけど、今、購入するのが多いのは、このミルクチョコレート↓になる。
このチョコレートと、同じスーパーで買う詰め替え用のインスタントコーヒーを飲んで、自分にとっては必要で、楽しいコーヒー時間になる。
理想のチョコレート
あまり豊かな経験ではないけれど、それなりにチョコレートを食べてきて、そして、最近、初めて「ゴディバのミルクチョコレート(板チョコ)」を食べて、改めて、自分は、砂糖とミルクとカカオの入ったミルクチョコレートが好きなんだ、と思った。
コーヒーは、砂糖もミルクも入ったコーヒーから、自然に、ブラックと言われるコーヒーを飲むようになって長く、今は、微糖の缶コーヒーさえ、甘い〜〜と思って、あまり飲めなくなっている。
だから、気持ちのどこかで、アルコールを飲まなくなってからチョコレートを毎日ように食べ続けることで、そのうちに、「ハイカカオ」のチョコを好んで食べるようになるのではないか、といったことを思っていたが、どうやら、そんなことはないようだ。
そう思うと、どこか幼稚だったり、未熟な味覚のままのような気がして、どこかちょっと気恥ずかしい気持ちもあるものの、やっぱり、チョコの中では、ミルクチョコレートが好きなのは確認できたような気がする。
そうなると、(自分にとっての)「理想のチョコレート」というのは、いいカカオと、いいミルクと、いい砂糖を、(自分にとっての)「ベストな配合」でつくられたチョコレートなのだろうけど、そんなオーダーメイドは、どれだけの高額になるか分からない、とも思う。
ただ、どこかのチョコレートブランドで、そんな企画があれば、と思ったりもする。
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