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映画『野生の島のロズ』の魅力を子育て中の母視点で語らせてほしい
「野生の島のロズ」を知ったきっかけは、推しであるNiziUの新曲が映画のスペシャルソングに選ばれたことだった。
映画館でNiziUの曲聴きたいし、ちょうど週末暇だ!
予告を見たところ、ロボットに心が芽生える系の話っぽい。
あー、うんうん、なるほど。
ロボットが出てくる感動系の映画にあるあるのテーマ。
よくあるやつね。
まぁ子供向け映画だし、ベタで分かりやすい方がきっとみんな楽しめるよね。
そんな軽い気持ちで、家族で映画館に足を運んだ。
気がついたら、子どもの隣で、誰よりもボロボロと涙流して泣いてる私がいた。
ちょっと待って。子供向け映画じゃなかった?
違った。これは子供向け映画じゃない。
子供と一緒に楽しめる、親のための映画だ。
想定外にめちゃくちゃ感動してしまったので、子育て真っ只中の母親視点で、『野生の島のロズ』の魅力について語らせてほしい。
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『野生の島のロズ』は、ロボットが子育てに奮闘する話
この映画の物語を一言で要約すると、ロボットが子育てする、という話だ。
とあるきっかけから、ロボットであるロズが雁(がん)の雛を育てることになる。
「子育ては分からない。プログラムされてない」
と言うロズに対して、7匹の子供を育てるネズミ(ピンクシッポ)のお母さんがこう言う。
「誰だってそうよ、試行錯誤しながら親になるの」
このシーンを見て、ああ、このロボットのロズは、子育てを始めたばかりの頃の私だと思った。
子供の育て方なんて分からない。
自分が子供を愛せるのか。
産んだら本能で育てられるほど簡単なものじゃない。怖い。
全ての親が感じたことがあるのでは。
誰だってはじめはロズと同じ。
子育てする自信なんてない。
試行錯誤しながら親になっていくしかないのだ。人間も。
親の仕事は、子どもを自立させること
ロズに与えられた任務は、雁の雛(キラリと名付けられた)を守り、食べさせ、生かすことだけじゃない。
渡り鳥であるキラリに、泳ぎ方と飛び方を教えないといけない。渡りが始まる秋までに。
キラリに飛ぶことを教えるロズは、
子どもに自転車の乗り方を教える親のようだった。
頑張る子供を、ほんの少し後ろで支える。
転んでも転んでも、できるよ、と励まし支え続ける。子どもの自立を信じて。
ちょうど6歳末っ子の自転車練習に付き合っているタイミングの私は、ロズにめちゃくちゃ感情移入した。ハラハラしながら、がんばれって一緒に応援した。
泳ぎと飛行を習得し、渡りに旅立つキラリ。
見送るロズの姿が、未来の自分に重なる。
ここのシーンは本当に、もう、涙がボロボロ止まらなくて大変だった。
子育てを終えた達成感と同時に、ぽっかり心に穴が空いたような、湧き上がる寂しさと切なさ。
試行錯誤の子育てを通して、ロズはちゃんと親になっていたのだ。
親は子を自立させるために子育てしている。
自分がいなくても、逞しく生きていけるように。
ロズの姿から、改めて子育てで一番大切なことに気づかせてもらった気がする。
いつまでも親でいたい、と思う親の呪い
ロズを見て、あぁ、いい映画だった…と感動に浸っていた時。
ふとXのタイムラインで目に留まったポストが、あまりにもグロテスクで震えた。
『わたしたちは無痛恋愛がしたい』第39話が無料公開になりました!
— 瀧波ユカリ (@takinamiyukari) February 17, 2025
「母」って、何を考えているんだろう……?
70代の夫と40代の息子の世話に明け暮れる主婦、赤井川栄の日常。
第 39話 女の仕合わせhttps://t.co/u7vmSJ1hGM
❇️感想付きリポスト大歓迎です❇️ pic.twitter.com/1H4UvU7gWZ
息子は、いてくれるだけでいいんです。
そしたら私も、いつまでも「お母さん」でいられますからね。
子供を自立させたくない母親がリアルに描かれていて、ゾッとした。
あまりにもロズとは対照的な母親像ではないか。
子育てを通して、私たちは親になる。
けれど同時に
母親としての自分=自分の存在意義
になってしまうリスクも秘めているのかもしれない。
そして自分の存在意義を無くさないために、子供に自立してほしくないと願ってしまう。
子供のご飯を作ってあげる
服を洗ってあげる
環境を整えてあげる
小さいうちは親の手がないと生きられない子どもも、成長する。
少しずつ手を離して、子供が「自分でできるように」サポートしていかないといけないのだ。
ロズのように。
親がいついなくなっても、強く生きていけるように。
野生動物は当たり前にできている
「子供を自立させるために子育てしている」
という本質を、人間は時として忘れてしまうのかもしれない。
子どもが大人になっても、愛する気持ちは変わらない。
けれど、
親であること=自分の存在意義
にしてしまうのはすごく怖いなと思った。
映画のパンフレットに、こんな文章があった。
映画は「親元を巣立った子供が、社会で自分の居場所を自分で確立する様」と「子育てを終えた親は、次になにをよすがに生きるのか」という、次の主題を描き出していく。
この展開もまた、「人間でないものを通じて人間らしさを描く」本作の魅力といえる。
子育てを終えた後に、どう生きていくのか。
映画の中でロズは、それを見つけていた。
子育てを終えた後の、自分の役目を。
私も、子育てする中で、頭の片隅にでも入れておきたい。子育てを終えた後のことを。
「いつまでも親でいたい」呪いにかからないために。
期間限定の子育てを、楽しみたい
「子育て」というものは人生の中の1シーズンに過ぎず、それが終われば、それぞれがそれぞれの人生を生きていくのだ。
しかし、その時間を共有した記憶は、離れて暮らすようになっても、決して消えてしまうものではない。
子育ては期間限定。
いつか終わる、大切な日々。
思い出すと胸があたたかくなるような楽しい思い出をたくさん作っていきたいと思った。
子育てついての気づきがたくさん詰まった、とっても素敵な作品でした!
感動の勢いで、原作となった児童書もポチった。早く読みたいな〜。
ちなみに…
NiziUの曲を映画館で聞けることを期待して観に行ったのに、最後までかかりませんでした!
まさかYouTubeだけのスペシャルソングだったとは…(予告編で流れてたから、日本版の主題歌なのかと思った)
おかげで素敵な映画に出会えたから、まぁいいんですけどね…
……でもやっぱり聞きたかった!
Mrs. GREEN APPLEの大森さんが楽曲提供したNiziUのAlwayS、とっても素晴らしいのでこちらも良かったらぜひ。(布教)