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2020年8月の記事一覧
#24 心を奪う3種の薬
その薬棚の中には
厳重に守られているもの、
縛られているもの、
空にしか見えないものなど
特別扱いをされているような薬たちがあった。
中でも
見慣れないガラス瓶に入った3つの薬が
とても綺麗だった。
ひとつの箱に入っているが
3つとも少し色が違う。
薄く色づいた液体はキラキラしていて
もっと眺めていたい気持ちで
いっぱいだった。
…じょうさん!
ちょっと!お嬢さん!!
すぐ耳元で急に大声
#23 薬屋のLily(リリー)
Oliviaと私は
Jackの家のすぐそばにある
薬屋さんに向かった。
Olivia、肘、大丈夫?
痛むの?
Oliviaの肘は少し赤く
少し腫れている程度だが
直径4,5㎝ほどの大きさがあった。
う~ん
触ると少しピリピリするくらい。
Jackさんに言われるまで
気付かなかったくらいだから大丈夫よ。
Oliviaが
ここよ、と入っていったのは
私たちの知る薬屋さんのイメージとは
随分かけ
#22 Jackの見解
で、聞きたいことって何だね?
Jackが話を元に戻した。
あ、えっと、
私の世界とこの世界の
行き来の仕方を教えてほしくて。
では、君は一体どうやって来たんだ?
その問いかけは間違ってはいなかった。
自分でもわからなかった。
考え込んだ私を見てJackはこう続けた。
実は、明確な方法は
まだ解明されていないんだ。
人それぞれ方法が違うようでね。
共通しているのは、
この世界を信じてい
#21 教授のJack(ジャック)
Eveの家を後にした私たちは
その町のメインストリートまで
戻ってきた。
確か…このお家だったかしら。
Olivia、来たことあるの?
来たことはないんだけど
何か扉やあなたの世界から来る人のことで
面白いことがわかったら教えてくれって
お家の場所を聞いていたから。
表札はなかったが
インターホンを押してみた。
…はい。
あ、えーと…
Jackさんのお宅でしょうか?
…あぁ。
えっ
#20 妖精を呼ぶ小さな薔薇のブーケ
あっ!
ちょっと待って!!
Eveの家の玄関を出る時、
急いでEveが後を追ってきた。
それ、ちょっと見てちょうだい。
Eveが指差す先の木箱には
大小様々、色とりどりのお花が
雑多に置いてあった。
整っていた庭や
丁寧に飾られていた花とは
対照的な置き方にとても驚いた。
わぁ。綺麗なお花たちね!
でも、このお花たち、どうしたの?
お庭のお花じゃないの?
最近、庭のお花を増やしすぎちゃ
#19 聞かなければいけないこと
Eveありがと~
たくさんハーブ摘んじゃった!
Oliviaが庭から戻ってきた。
Olivia、お疲れ様。
そろそろ摘まなきゃいけない時期だったから
助かったわ。
いいえ~
私にもハーブティーちょうだい。
もちろんよ、ちょっと待ってて。
私の隣に座りながら、
Oliviaは摘んだハーブを綺麗に籠に整えていた。
あなたの方は、Eveから何か聞けた?
ん?何かって?
えーと…
この世界
#18 石に棲む妖精
Eveのハーブティーは
薄いピンクでほんのり甘かった。
今回のはピンクね。
おいしい?
はい!ありがとうございます。
あ、そういえば!
これも持ってってくれないかしら?
そう言って
Eveが背後の棚から箱を出した。
その箱を空けると、
入っていたのは宝石のようだった。
この石にはそれぞれ妖精が棲んでるのよね。
ほら、この子たち…
言われた通り、
輪郭が少しぼんやりするような妖精たちが