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たべものコンサル日記R38:飲食業界は 1年以内にインフレ価格環境に変わり、 5~10%の値上げが必要と予測中!!

  景気回復が始まったアメリカでは、前年対比5%以上のインフレ傾向が出てきたとネットニュースに出ていました。

■飲食店が1年以内に値上げを迫られる要因


食材の高騰と品不足
 食材の仕入れ価格が年間に数度小刻みに値上げされて、
1年換算で10%前後は以前の価格より高くなってきた商品が
多くなってきた。

 牛タンの年間で30%を超える値上げ圧力や中国の牛肉輸入量の増大など
でも肉類の大幅なメニュー対策(基本のポーション変更)や改定が、
急がれます。

*一方では大豆から作ったフェイクミートの普及を促進すると
 みています。

*牛の肥育中の抗生物質やホルモンの投与でできたビーフよりも安心安全
 な植物性たんぱく質を食べることが広まると予測しています。
 (今はまだ肉の食感としても50%の完成度と個人的には思います)

野菜価格の高騰・良品の品不足
 異常気象により以前は売上高全体の5%を占めていた野菜類の仕入金額
が、8%~12%を占めるようになってきました。
かといって、近年葉物の品質は上がるよりむしろ品質が悪くなっています。

*またJAの生産指導が、
 「美味しさ」「健康美容」よりも「見栄え」「安全」が重視されていて、
農薬投与を数回以上行った野菜生産を推奨していることも今後の大きな課題です。
各地の市場が崩壊し始めています、ネットによる生産者直売が今の数倍
になってくると業務用ルート以外は半減するのではと予測しています。

*飲食店サイドでも、「ネットで購入した良品野菜」を、
 生産者の顔とこだわりをのせたメニュー作りをすることも
     自店の人気が出る方法と思います

人件費の高騰
  景気回復に躍起となる政府の時給アップ圧力もありますが、
人材の確保・雇用継続・待遇改善の人件費は多く膨らみます。

 「仕事のできる人材は最低時給では獲得できない」ことはわかって
いながら・・・募集効果がない・・・という始末!
少なくとも相場の幅の真ん中か、上のクラスの時給でないと
効果は出ないのが当たり前と思います。(*都合よく考えるななのです)

  

利幅の大きいアルコールが売れなくなる時代になる
  利幅も大きく飲食の業態によって違う15%~70%の売上を占める
お酒類などドリンク類の売上が、今後もっと減少すると予測しています。

飲食費の節約利用が進み、飲食店のより賢い利用の仕方が強まるごとに、
無差別でアルコールを飲めるのは、価格負荷の少ない飲食店以外の施設の
飲み会や家飲みになります。

すべてがこうなるとは思いませんが、一部は経験から習慣化すると
思います。そしてそれが、社会に変化として現れます。

すべての人が外食する習慣の世界から、

5年後は、
選ばれた日だけ高額予算を出して外食する
ライフスタイルに変わると予測しています!

例えば、
飲食店のランチ  1500円
   ディナー  5000円 が最低価格の世界


■では、どのくらいいつ値上げできるか?


どのくらいの値上げが必要か?

  実質ベースで5~6%の食材の値上げが1年間の間で起きるとすると、
値上げ後の1年間も同じ5~6%があると想定した場合は、

過去の1年分の調整分+今からの1年分の予備分「2倍の10%~12%」
値上げが必要となります。

<値上げ分の10%~12%の利益幅の獲得方法3タイプ>

1,ストレートに10%~12%価格アップできるお店
  
専門店の場合が成功しやすい。
  商品品質に優れ、スタッフへの信頼が厚いお店。
それでも、売上の75%を占めるAランクメニューに絞った値上げが
お客様にやさしい方法と思います。

*プロ的視点ではAランクメニュー全品のうち「1品だけ」(第2位か3位)
 を価格を変えずに、価格アップ抵抗感のガス抜きメニューにコッソリ
 仕掛けてきたいものです。(ワザと値上げしない1品を作る)



2,半分の5~6%を食材原価率の調整で利益を生み出し、
  残り半分の5~6%は、値上げ価格を設定して実行する

<食材原価率の引き下げで成功させるコツ>

Aランクメニューだけを価格アップ対象とする
 手段1:Aランクメニュー全品の価格を5~6%引き上げる

 手段2:今後も値上げが予測される「価格高騰候補食材のメニュー」
     を7~10%引き上げる、他のAランクメニューは、
     3~5%引き上げてAランク内で価格アップ差をつける。

 手段3:人気第1位のメニューは、余分な付け合わせを極力省いて
     食材原価率を3~5%落として価格を変えずに継続する。
     人気2位~8位までのメニューは、7%~15%の範囲内で
     値上げプランを作成して、

     その価格が売れない価格ゾーンになれば、その料理の価格を
     少し引き下げて売れる価格の上限価格で設定して、
     足りない利益分は、食材原価率の引き下げ調整で確保する。

いつ値上げが可能か?

  一言で言えば、「外食圧力が高まる直前の時」です。

今後1年間で予測すると、
10月もしくは12月

年を超えて、より安全パイは、
3月~5月

じゃそれまではじっと我慢か?


いいえすることはイッパイあります。
1,お店の次期メニュー作り
 グランドメニュー・ランチメニューのリニューアル実施

2,店舗のランニングコスト(販売管理費)の見直し削減縮小
 惰性的な習慣化した経費がいっぱいあります。
 見直し、見直ししましょう!(*本当に必要な経費か?)

3,メニュー全品のレシピづくりと食材原価計算
 メニューの価格設定、食材原価率の変更などにすごく役立つ
 データになります。

先を見て予測し対策を立てましょう!

生き残ることとは
黒字化の仕組みをしっかり手に入れることです!

(了)



 


  

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします