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食べ塾:もう腹を決めて準備して値上げ断行をする時期が目の前です!

■消費税8%の時代の飲食店ってどんなだったか?

  簡単にご説明すれば、実質的なデフレ感が強い時代ですが、消費税5%の時代にはほとんどなかった「プレミアム商品」(ちょい高ちょい高品質)が世の中にどんどん生まれてきた時代です。

  この頃の多くの飲食店では、
5%消費税価格を踏襲したお店
  5%の消費税の価格のまま、8%の消費税時代に突入して、利益率を
落としながら、売上の維持を最優先にしたお店のやり方です。
家族経営の一番小さなお店のとった手段です。

5%時代の価格をわずかに値上げしたお店
  全体としては、600円の本体価格の5%税込価格630円を650円に値上げ
したくらいです。その後の諸物価の値上がりを吸収できる値上げ幅では
ありませんでした。
やはり、売上の低下が怖いという危険回避の妥協的価格設定でした。

がありました。


■消費税10%の時代の飲食店はどんなだったか?

8%の消費税の時代に多くのお店が据え置きか微々たる値上げで
経営してきましたが、

消費税10%の重み、度重なる食材の値上げ、売上の低迷の中での
根本的利益体質への転換が求められる今のこの時期だからこそ
もう決心することが必要になってきました。

納税負担の増加
  8%の消費税を10%に変えても売り上げ増や収益改善にはならず、
消費税の納付負担が増すばかりです。

平均客単価の上下2極分離
  10%のメニュー価格に切り替わってから、平均客単価が上がったお店は、やはり専門店系中心の飲食店です。
専門料理店・立ちのすし店・焼き肉店・魚料理店などです。

半面、平均客単価を落としたお店は、「価格の安さが魅力」のお店です。
8%の時代に800円で売れていた定食のお店では、10%の時代でもやはり
800円までの価格が重宝されて、2%消費税が上がった分だけ、本体価格は
引き下げられました。

消費税10%の重みが堪える時期
「消費税の値上げ開始から6か月~12か月後」に生活実感で感じてきます。
  今は飲食店が外食受難の時期の真っただ中にあり、庶民が消費税の
本当の重みを実感を持って感じる時期に重なっています。

・メニューの価格設定が難しくなった →特に1000円以上の売価商品
・消費税の預かり分も運転資金に回し消費税が払えない
・仕入れ代金の税率は8%だけど、度重なる食材の値上げが痛い

こんな現状です。

10%の消費税時代は、値上げをしないと黒字になりにくい時代
とご理解ください。


■利益を増やすために、
 値上げの前の準備段階でしておく<基本形>

1,ランニングコストを仕分けして圧縮する

   正に生き残るか潰れるかのサバイバル期間がもう少し続きます。
何も手を打たずにじっと待つだけのお店は、来年にはないかもしれません。
もし存続していても、赤字経営になりがちと思います。

生き残こるため、勝つためには、「生存をかけた経費の切り詰め」が
必要です。
家賃と電気水道ガス、人件費、食材購入費が基本です。
経営が長ければ長いほど、尾ひれのついた余分な経費が多くあります。


2,利益を増やす「仕組みと価格設定」をする

  <利益を増やす仕組み>
それはいつもお店に来てくれるお客様を「お金以外の要素」で
強化することです。

商品の価値を引き上げる(クォリティー)
 味わいの改良・・・時代に合った味、もっとおいしく感じる味に変える
 盛り付けの変更・・目新しさ
 食器の変更・・・・目新しさ
 盛り付けのきれいさ・・・見た目にもおいしく感じる

スタッフ数の気配りカバー力以内の接客力を上げる(接客サービス)
 
一言だけ常連客、一見客の区別なく「声かけ」する。
 このお店に今日来てよかったと思える印象づくりが大切です。

店頭、レジ回り、トイレ、客席のテーブル・イス・卓上品・メニュー
 ブックが清潔に管理されている(クレンリネス=清掃・整理・整頓)
 
 少ない人数で毎日きちんと行うことは非常に大変です。
しかし、お客様は自分たちの食べる料理を作るキッチンの中を見る
機会はありません。

汚いところ、汚れるところをきれいにしてこそ「安心な料理のお店」に
感じてもらえることなのです。


これからが本題です!

■値上げの極意1:「トップ5」の5品だけ値上げする

  なーんだ60品も100品もあるのにたった5品が極意の方法か?と思う
でしょうね。
具体的にお話しすると、飲食店のオーダーの分け方に、

Aランクメニュー
1位~〇位まで  → 月商(年商)の75%を売るメニュー群

Bランクメニュー
Aランクメニューの次の1品から以下のCランクメニューの1つ前までの
メニュー群。1年を通じてぼちぼち売れていたり、季節によって売れたり
売れなかったりする第2軍のメニュー群です。
        → 月商(年商)の20%(76%目~95%目まで)

Cランクメニュー
A・B両ランクにも属さない、俗にメニュー変更時に削除候補となる
メニュー群です。
ここで1日1回しか出ないメニューとかでしぶとく残るメニューは、
「売れなくても自店しかない特徴メニュー」ということになります。
        →月商(年商)の最後の5%のところ
         ここに30~50くらい以上のメニューがあります

このAランクメニューのトップ5品だけを特別に値上げすれば、

●あまり目立たない値上げになりますが、利益率は10%以上向上します。

 
今までの価格を10%の値上げして価格設定した場合に、
トップ5で全体の20%の売上を出している場合には、少なくとも、
粗利益(食材費を除いた利益額)が月商(または年商)の2%分だけ
新たに生み出せることになります。

お客様目線では、
例えば全体が100品あっても、その中の5品が値上げし他場合は、
大半が上がっていないので、しょうがないなと受け取っていただけます。

一番悪い値上げの方法は
売れてるメニューも売れないメニューもきまじめにすべて値上げして
しまうことです。
(*お客様の離反につながります)


■値上げの極意2:セットメニュー化する

都会よりもローカルのほうが「セット」好きなお客様が多くいます。
昭和~平成と長く続いた飲食業界においては、

セットがお得という思い込みが根強くある

 平成期でもセット価格にした場合には、10%位の思いやり値引き価格
を設定していました。
しかし、平成末期~令和になると、セット価格に値引き設定がほとんど
見受けなくなりました。(特に大手の外食チェーン)

中高齢の男性ほど、料理の組み合わせを考えて注文するのが面倒に感じる
 ために、セットが簡単便利というファンは多くいます


 よって日替わりセットとか、晩酌セットとか、価格と内容をチラ見して
多くのオーダーが出る仕組みになり、客単価もアップします。

ラーメン店でも単肥の前にセットメニューを3~5品優先させるメニューにすると客単価が引き上げられます。


■値上げの極意3:5%価格を上げて5%食材原価を
 引き下げる!

  値上げの極意の極意は、男性が好きな女性にアプローチするように
お客様の気持ちに寄り添って、抵抗感のない、より少ない手段で
実行することが大切とおもいます。

この方法は、ここ10年ばかりメニューの値上げ方法のご提案の際に
常とう手段として使っている方法です。

新たに「10%」の利益増をしたいときに、

10%まともに値上げすると抵抗感が強く、自店を選んでくれない 
かもしれないという不安がある場合

  →
では、10%の半分の「5%」だけ値上げしましょう!

  →足りない5%の利益は、商品設定の組み換え微調整でねん出
   しましょう!

ということになります。

併せて「利益率の改善率=10%確保」になります。


ただし、冒頭でご説明しましたように、
値上げをしてもお客様が減らないためには、

商品力・接客力・店舗力の改善に取り組みながら




砂糖や塩やマヨネーズのように

自分のお店が「生活必需品ランクの不可欠のお店」
になる!  ということです!



どうぞご参考にしてください。

(了)





 

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします