#つくってみた
【短編】日が昇る四畳半③
②はこちらから
秋夜さんに話をした日から1週間。
僕の住むアパートに警察が来た。
「生駒秋芳さん。一度、DNA鑑定を受けてほしいんです。」
そんなことを言われて髪の毛を何本か提出した。僕の知らないことが始まっているように思った。
学校の友だちには変化はなかった。相変わらず立ち位置はみんなの弟で可愛がられ役。
「あっきー。メロンパンあげるー。」
そう言って、女の子たちに囲まれたり。きっと、この
【短編】日が昇る四畳半①
子どもの頃の話。
僕は、四畳半の部屋に住むおじいと仲がよかった。その部屋の襖を開けるとおじいはニカって笑って僕を迎え入れてくれた。
家族の中の誰とも血のつながりのないおじいがウチの一室にずっと住んでいた。誰とも関わらず、僕とだけ話すおじい。母がなんとなくおじいの分もご飯を作って、おじいの住む四畳半にそれを届けるのが僕の役目だった。
「今日は、おでん?おじいカラシほしいって絶対言うよ。」
「じゃあ、
【短編】日が昇る四畳半②
①はこちらから。
カーテンの色がブルー。
僕の部屋ではない場所で目が覚めた。レモングラスの香りがして頭が冴えていくが少し気持ち悪くて起き上がれなくて横になっていた。これが二日酔い。人生初めてだ。
「あき、おはよう。」
秋夜さんが、声をかけてくれて、ようやくここが秋夜さんの部屋だと分かった。
「ごめんなさい、僕…。」
「止めなかった俺も悪いよね。ごめんね。」
秋夜さんがペットボトルの水を渡してくれ