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すべてのものは「陰と陽」そして「木火土金水」で成り立っている

前回の続きで、旧暦で使われる「干支」についてもう少し。

今年2025年は、旧暦では「乙巳 きのと‐み」の年であることは前回書かせていただきました。

この旧暦は干と支を組合わせてつくられています。この干支は古来より東洋の「陰陽五行諭」に基づいて作られています。
この陰陽五行諭は、東洋思想について知識がない方でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。


「陰陽五行諭」の「陰陽諭」


これはすべてのものには「陰」と「陽」の二極によって成り立っており、それがバランスをとっているという考えです。
たとえば、「男と女」「昼と夜」「左と右」「上と下」といったものです。

この陰と陽のバランスは、1日の時間や1年の季節においてもいえます。

1日のうち、お昼に陽がいちばん強くなる、つまり極まり、そしてその陽は徐々に勢いを失い、日没をもって陰に転化して、真夜中に陰が極まります。やがて明け方に向かって陰は弱まっていき、日昇によって陽に転化します。

1年の季節も同様です。
四季がありますが、一番陽が強い時が夏至です。この夏至に陽の力が極まり、これを境に陽の力は弱まり、逆に陰の力が強まっていきます。この陰の力は冬至に向けてどんどん強まっていきますが、冬至で極まったときに今度は陰の力は弱まり、逆に陽の力が強まっていきます。

このように、1年を通じ、さらには1日の中にも陰と陽の力はバランスを取りながら変化しています。すべてのものは陰と陽によって成り立っているのです。


「陰陽五行諭」の「五行諭」

これは自然界の存在するものを、「木」「火」「土」「金」「水」5つのエレメント=元素の分類する理論です。
この5つの元素に基づいて、たとえば東洋医学も成り立っており、人体にある臓器はこの五行によって分類されています。「肝臓は木」「心臓は火」
「脾臓は土」「肺は金」「腎臓は水」など。

この「木」「火」「土」「金」「水」の5つの元素は、それぞれの性質から、お互いに相性の良い関係(生じる関係)と相性の悪い関係(剋する関係)があります。今回は複雑になるので説明は割愛させていただきますが、この元素相互の相性の良しあしはとても重要な概念となり、これによって
四柱推命などの占いや先ほどの東洋医学などにおいて、問題の箇所を見つけて、それに対して適切な処置をほどこしていくことになります。


ものすごく大雑把な説明になってしまいましたが、今回の旧暦もいま説明した「陰陽五行諭」によって成り立っています

「五行」のなかにも「陰と陽」があり、それが「甲」「乙」「丙」「丁」「戊」「癸」「庚」「辛」「壬」「癸」という十干にわけられています。
それは次のとおりです。

十干の五行と陰陽

そしてもうひとつの「十二支」である、「子」「丑」「寅」「卯」「辰」「巳」「午」「未」「申」「酉」「戌」「亥」

十二支イラスト

この十二支も、「陰」と「陽」に分けられており、「陰」が6種、「陽」も6種となります。それが次のとおりです。
のグループは、「子」「寅」「辰」「午」「申」「戌」です。
のグループは、「丑」「卯」「巳」「未」「酉」「亥」です。

※ 十二支をイラストで分類しました。
※ 十二支にも「五行」の元素に分けられるのですが、今回は複雑になるの
  で割愛させていただきます。

十二支 「陰陽」分離

そして、十干と十二支の組み合わせは次の通りとなります。

十干と十二支の組み合わせ

上記の「十干と十二支の組み合わせ」図が旧暦の年、月、日につかわれます。
ここで、五行の木、火、土、金、水に陰陽の十干があり、そこに十二支を組合わせるので、本来であれば10×12で120通りの組み合わせなのではと思われますが、ここには組み合わせのルールがあり、「陰は陰」と、
「陽は陽」とだけ組み合わせができるのです。よって、120通りの半分の60通りとなります。

よって、わたしたちが生まれた年の干支から1まわりするのに60年かかり、この60歳を元の干支に、「ぐるっと一巡りして戻る」という「還」という字を使い「還暦」と呼びます。そして、一巡りしてまた新たに生まれた赤ちゃんに戻るという意味を込めて、赤いちゃんちゃんこを着るとのことです。

フリー素材 いらすとや のイラストを転載させていただきました

機会があれば、この「陰陽五行諭」をはじめ、東洋のものをまた書きたいと思います。

今回も読んでいただきありがとうございます。では✋



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