【読書記録】リハビリの7月
もう8月も後半戦に差し掛かっている。
時間の流れが速すぎる。
学生さんたちはいまごろ夏休みの課題を大慌てで片付けているところでしょうか。
ローカルカレンダーには8月下旬に近所の学校の始業式の予定が記されていて驚いた。9月じゃないんだ……。
8月の読書記録をまとめようと思い立って読書記録アプリを眺めていたら、そういえば7月も結構読んだのにまとめてないな、と気づいたので思い出しがてら書き出してみることにした。
資格試験を終えてからは良いペースで読めていると思う。
リハビリも兼ねて図書館で予約・取り寄せをバンバンさせていただいている。様々だ。
予約もネットでできるし受け取りも近所でできる。良い時代だなあ。
・神去なあなあ日常 著:三浦しをん
林業というなかなか身近にない職業にスポットライトが当たっていて珍しいと思った。
主人公は高校を卒業するなり強引に神去村へ連行され林業の道を進むことになるので当然最初は気乗りしていない。
あらゆる事象に不平不満が募り、慣れない作業に値を上げて逃走を試みる等まあそうだよね~と思う序盤から、村で起こる様々なイベントを通して次第に成長していく姿がきれいに描かれていた。
登場人物はみんなユニーク。
ザ・個性の塊のヨキから、中村一家、中村班のメンバー、村人、ナオキ、誰一人この物語から欠けてはならない存在だった。
リズミカルに紡がれる文体も読みやすく、ペロッと読了したうちのひとつだ。
・田村はまだか 著:朝倉かすみ
小学校の同窓会のその後の3次会にて、哀愁漂う40代男女がそれぞれの過去を振り返りながら「田村」を待ち続ける物語。
それぞれの視点から田村という人物像が徐々に浮かび上がり、しかしなかなか登場しない焦らしかたに揺さぶられた。
・むらさきのスカートの女 著:今村夏子
むらさきのスカートの女の観察日記のようだった。
主人公はむらさきのスカートの女をどこか下に見ている気がする。
陰からあれこれと世話を焼き、どうにか同じ職場に引き入れようとしている姿は奇妙だった。
哀れに思われる彼女の姿と主人公の姿はどことなく似ている。似ているが主人公は気付かない。読み手にしかわからない感覚かもしれない。
奇妙ながら穏やかなストーリーが続いていただけに、最後の怒涛の展開には驚いた。畳み掛けの強烈さは忘れられない。
・滅びの前のシャングリラ 著:凪良ゆう
世界滅亡のカウントダウンの最中に見える、家族愛を描いた物語だと思った。
ただの家族愛ではない。ばらばらで歪んでいてとてもきれいとはいえない、不格好な家族愛だ。
世界の滅亡はどうあがいても避けられないけれど、最後の時をどう過ごすか、最後の日まで絶対に生きるという信念を貫く部分が良かった。
荒廃していく世界ならではの逆転した正義や日常がめちゃくちゃになる残酷な描写は辛い部分もあるがあっさりと書かれていることもあり読みやすい。
・しょうがの味は熱い 著:綿矢りさ
同棲のしんどい部分詰め合わせみたいな内容で苦しくなってしまった。
お互いがお互いを理解できていない、思いやらない。
すり合わせがうまくできないままずるずると日々を消化しすれ違っていく過程が放つエネルギーがすさまじい。
いったん距離をおいて仕切り直しを図るも、ひとたび連絡をとり迎えに来られてしまうと、心配してくれた両親など放り投げ彼氏について行ってしまう部分は救いようがないと思った。
7月の中では「神去なあなあ日常」と「滅びの前のシャングリラ」が好みだった。作家さんの文体が結構好きかも。
三浦しをんさんは社会人になってから、ああ好きな感じだなあと気づき始めて本を集めている。
凪良ゆうさんも集めそうな気がする。
「しょうがの味は熱い」はもうひたすらしんどい。ほぼストレスで読み進めたところがある。(嫌いとかそういうわけではなくてこれはこれで良いと思っています)
綿矢りささんの作品は他のやつも気になっているけど、どれもこんな感じなんだろうか……ちょっとビクビク。でも読みたい。
(ちなみにサムネは6冊になっているのは、上旬になんとか読み切ったけど記憶が残らなかったのでまた再読してから載せる予定)
今月も結構読めているから、またまとめたいなあ!
もっとたくさんたくさん本が読みたい!