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『2040年の日本』を読んで

フォロワーさんがこの本を読んでいらしたので、この本の存在を知り、私も読んでみました。

「少子高齢化」が行き着く先を示しています。

日本は「大きさ」に代わる何かを見出さない限り、世界経済の中で生き延びられない。(略)2060年においては、中国やアメリカから見れば、大きさの点では、日本はゴミのような存在になってしまうのだ。

91ページ

そして、

日本が世界経済に不可欠なものを持てるかどうかが、問われることになる。

(同ページ)

とあります。「世界経済に」かはわかりませんが、「不可欠」なものは日本にはたくさんありますが、それを活用できるかどうか。
それは日本人が日本文化を大切にできるか、伝承できるかにかかっていると思います。

高等教育についても語っています。

大卒新入社員の初任給は、一律同額。金融機関では、企業間でも1円の違いもない。(略)日本人が勉強するのは大学受験までの期間だと言うのは、日本の賃金制度の下では、合理的な行動なのである。

290ページ

金融機関の初任給の言及が事実だとすると、情けなさすぎると思います。

巻末でこんな事が書かれていました。

日本が復活するイメージを明確な形で提案できなかった。(略)そうできなかったのは、政治家や官僚が未来に対してまったく無責任であると、日々のニュースによって思い知らされているからだ。(略)20年後の日本がどうなっていようが、まったく関心がない。官僚にも同じようなバイアスがある。

という人たちを長年支持してきたのは、有権者です。
有権者こそ、「数十年後の日本にまったく関心がなかった」という事だと思います。

最後に、

世界における日本の地位は、いまや、1970年代までに逆戻りしてしまった。われわれの世代はまた、次世代の教育を怠った。その結果、日本人の資質が目もあてられないほど劣化した。

303ページ

「次世代の教育を怠った」と述べたのは初めて見ました。「次世代はなにをやっているんだ」みたいな事は多々目にしてきましたが。

ここ数十年の急激な世界の変化に、日本はついて行く事はできませんでした。結果、日本人が海外に出かけるのがとても難しくなってしまいました。海外の人が日本で働くにはサラリーが低すぎて、有能な人材がこない可能性も高くなってしまい、逆に日本の有能な人材は高い報酬を求めて海外へ出て行ってしまうケースも増えると思います。

「ゴミのような存在」ですか…

さあ、どうしましょう…


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東の京の田舎市民
至ってごく普通のサラリーマンのつもりですが少し変わった体験もしています。

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