あの頃の自分を癒してくれた大切な1冊
本を買う時の基準ってありますか?
表紙のタイトルに惹かれた
なんとなく目に入った
好きな作家さん
人に勧められた
今話題性のある本だから
直感で選んだ・・・
いろいろありますよね。
私はその本が2度3度と繰り返し読みたくなるかどうかで決めています。
パラパラとページをめくり、短いワンフレーズでもいいから
ある「言葉」に引き寄せられて目が離せない。
そうなったら、その本はお家に連れて帰って本棚に並んだお気に入りの本たちのお仲間入りをします。
昔は少しでも自分を成長させたくて知識を広めるためにいろんなジャンルの本を読み漁っていた頃がありました。
特に20代のときは自分探しをしている時だったので、休日になると書店へ行き、本棚に次々と新しい本が増えていくのが楽しかったですね。
読まない日は無いというくらい本の虫になっていました(今とは正反対トホホ)
誰かと競争しているわけでもないのに、何かから取り残されないように、自分に負けないように必死になって常に何かを追い求めプラス(足していく)生き方をしていました。
それが、ある出来事をきっかけに考え方が一変します。
足し算から引き算へと、すでに足りていることを知り「手放す」生き方へとシフトしました。
(この時の話は長くなるのでまた別の機会に書こうと思います)
その時に、本もたくさん手離しました。
床から天井までぎっしり収納できる大きな本棚6台分の本たちを、まず1台分の量に収めました。
いざ本を選別してみると、作者が違うだけで同じような内容の本がたくさんあったんですね。
それなら何十冊も似たような本を持たなくても、自分の波長と合うものが1冊あればいいなと思うようになって、更に本棚1台分あった本は棚1段分までに減らしました。
皆さんが本を手元に残す判断基準はなんですか?
私は「自分の棺桶にいっしょに入れてほしい」と思えるかどうかです。
ちょっと極端すぎるかもしれないけれど
でも、それくらいの気持ちで手元に残した本たちは何度も何度も読み直して、すごく愛着がわきます。
自分の血肉とまでは言わないけれど、ココロの一部にはなりますよね。
数回の選別に選ばれた本たち。
その中で、忘れることのできない不思議な体験をしたある1冊をご紹介します。
仕事のストレスで体も心も疲れ果てた私に、やさしく寄り添って癒してくれた大切な本です。
■「ヒーリング・キャット」葉祥明
今から16年ほど前、仕事のストレスで体も心もボロボロに疲れ果てた毎日を過ごしていて「この先どうしよう?」と悩んでいた時期でした。
当時、原宿で自宅兼ヒーリングサロンを営んでいて、多くの人と出会い、多くの体験をし、たくさんの事を教わり、学ばさせていただきました。
苦しいことも悲しいこともあったけど、この仕事は天職だと思えるほど、やり甲斐を感じ、好きな仕事をしていることに充実感もありました。
ただ、次第に自分のプライベートよりも仕事に重きを置きすぎて、睡眠時間は多いときで5時間、食事は不規則、一日一食はざら、仕事が終わったあとは悩み相談のメールに返信、仕事から解放されるのはいつも夜中。
こんな状態をほぼ休みなしで10年間続けていたら体は限界を超えてしまい、声がでない、片方の耳がきこえにくい、顎関節症、顔面のしびれ・・・と次から次へと体に不調が現れて、本当はもう苦しくて心は「助けて」と叫ぶのに、頭では「もっともっと頑張らないといけない」と自分に言い聞かせる日々。
あんなに好きで始めた仕事が、自分の天職とさえ思えてた仕事が、もう「好き」と言えなくなってしまったこと。
頭と心の思いが一致しない。
そんな頃、あじさい寺で知られる鎌倉の明月院に行った帰り道、おとぎ話の中から出てきたような、とても素敵な洋館の建物が目に留まりました。
普段だったら美術館とかあまり興味が無いのでそのまま素通りするはずなのに、なぜだかこの時は自然と足が立ち止まり、「私はここに入る」とはじめから決まっていたかのような、何かに呼ばれているような感覚がして建物の中に入っていきました。
そこには、やさしい色合いの絵本が沢山並ばれていて、眺めているだけでもふわふわと気持ちが落ち着いていく雰囲気にあふれていました。
失礼ながら、それまでは「葉祥明」という名前も存在も知らず、絵もこの時が初めてです。
たくさんの絵本の中で、なぜかこの表紙のネコちゃんが気になって、手に取ってその場で読み始めてみると、主人公のブルーキャットが語る言葉がどんどん胸の奥に響き、葉祥明さんのやさしさが伝わってくるイラストと共に「癒しの世界」へと導いてくれたのです。
「大丈夫だよ」と励まされ、新しい扉を開く勇気と安心感を与えてくれて、
読み終えたあとは胸の奥から温かいエネルギーがブワァ~っと溢れでてきました。
ブルーキャットの言葉の魔法にかかり、私自身の生命エネルギーがみなぎってきて、気が付いたらギュウっと絵本を抱きしめていました。
この時の強烈な体験は決して忘れることはありません。
今でもあの時に受け取ったメッセージを思い出すことがあります。
今、悩みを抱えていて心をスッキリさせたい人は
ブルーキャットの魔法の言葉と旅をしてみませんか。
YOH SHOMEI ART MUSEUM
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